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知財

実用新案権侵害差止等請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和2ネ10038
事件名
実用新案権侵害差止等請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年2月17日
裁判官
大鷹一郎小林康彦高橋彩
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、「ハーネス型安全帯の着用可能な空調服」に関する実用新案権(登録第3198778号)を有する被控訴人(原審原告)が、控訴人(原審被告)らによる製品の製造・販売が実用新案権の侵害又は間接侵害に該当すると主張し、製品の製造・販売等の差止め及び廃棄、並びに約9185万円の損害賠償を求めた事案の控訴審である。 空調服とは、衣服に取り付けたファンで外気を取り入れて体を冷却する作業服であるが、高所作業用のハーネス型安全帯は背中に命綱(ランヤード)が配置されるため、従来の空調服では併用できないという問題があった。本件考案は、空調服の背中部分に命綱取出し用の取出し筒を設け、口紐で密閉できる構成とすることで、この問題を解決するものである。被控訴人はユニフォームメーカーであり、控訴人は空調服の開発・販売会社である。両者はもともと製造委託等の取引関係にあったが、関係が悪化し、被控訴人が控訴人に対して本件訴訟を提起した。原審は、差止め及び損害賠償約1537万円を一部認容し、控訴人が敗訴部分を不服として控訴した。 【争点】 本件の主な争点は、(1)被告製品が本件考案の構成要件を充足するか(文言侵害・均等侵害)、(2)間接侵害の成否、(3)冒認出願又は共同出願違反による無効の抗弁、(4)先使用権の成否、(5)黙示の実施許諾の有無、(6)権利濫用の成否、(7)差止めの必要性、(8)損害額である。特に控訴審では、考案者が被控訴人の従業員か控訴人代表者かという冒認出願の争い、及び控訴人が本件出願日時点で「事業の準備」をしていたかという先使用権の成否が中心的に争われた。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、控訴を棄却し、原判決を維持した。 冒認出願の主張について、裁判所は、被控訴人の従業員であるA及びBが本件考案の技術的思想を着想し具体化に創作的に関与した共同考案者であると認定した。その根拠として、被控訴人が平成26年9月の企画会議で顧客要望を踏まえて開発に着手したこと、A及びBが共同で開発を進め、平成27年1月28日に作成された依頼書に本件考案の構成が全て記載されていたことを挙げた。控訴人側の証拠の大部分が内部資料にすぎないとの主張も退けた。 先使用権の主張について、裁判所は、「事業の準備」が認められるためには、考案の内容が確定しているだけでは足りず、製品の基本的構成・仕様等の事業内容が定まっている必要があるとした上で、試作品と販売品の間にはポケットやメッシュ等の複数の相違があり、出願日時点で事業内容が定まっていたとは認められないと判断した。控訴人が主張した「関係特殊的投資」を基準とする判断手法も採用しなかった。 権利濫用の主張についても、控訴人とセフト社は別個の法人であり取引基本契約の効力は控訴人に及ばないこと、契約に実用新案登録出願を制限する定めがないこと等を理由に排斥した。損害額は約1537万円と認定された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。