AI概要
【事案の概要】 本件は、被告(パラマウントベッド株式会社)が特許権者である「ベッド等におけるフレーム構造」に関する特許(特許第3024698号)について、原告(株式会社プラッツ)が請求した無効審判の不成立審決の取消しを求めた訴訟である。本件特許は、使用者の体格に対応させるべく、ベッド等の床板を支えるフレームの一部を異なった長さの交換装着用フレームに置き換え可能に構成したフレーム構造に関するものである。原告は、マッケ社が販売していた手術台「マッケ1120.21B」(製品1)及び被告が販売していたキューマアウラベッドKQ602(製品2)に基づき、本件特許は新規性及び進歩性を欠くと主張した。 【争点】 主な争点は、(1)製品1に基づく本件発明の新規性判断の誤りの有無、(2)製品1に基づく本件発明の進歩性判断の誤りの有無、(3)サポート要件違反の有無である。特に、製品1の手術台が「床板を支えるフレーム」の構成を有するか、製品1における各コンポーネントの置き換えが「使用者の体格に対応させるべく」行われるものといえるかが中心的な争点となった。 【判旨】 裁判所は、まず本件発明の「床板を支えるフレーム」について、床板と別部材であれば足り、床板と結合して一体となっている場合も含まれると解した。次に「置き換え」とは、フレームの一部を異なった長さのフレームと取りかえることを意味し、付け足すことは含まれないとした。また「使用者の体格に対応させるべく」とは使用者の身長に対応させることを意味し、置き換えた結果テーブルトップ全体の長さも変化することを要すると判断した。製品1の手術台について、パッドが「床板」に、棒状の金属製部材が「フレーム」に該当し、背板・足板・背板(短)等の各コンポーネントを置き換え可能な構成を有することは認めたものの、その置き換えが「使用者の体格に対応させる」目的によるものかは証拠上明らかでないとして、新規性は否定しなかった。しかし進歩性については、本件特許出願時には手術台のテーブルトップを患者の身長に応じた長さとすることが望まれ、各種コンポーネントを組み合わせて長さを調整する手術台が普及していたという周知技術を認定し、製品1において長身の患者に対応するために頭板を付け加える使用方法が行われていたことも考慮して、当業者が患者の身長に対応させるために各種モジュールを取り換えて手術台を適合させることは容易に想到できたと判断した。以上により、本件審決を取り消した。