都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3147 件の口コミ
知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ケ10141
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年3月16日
裁判官
菅野雅之本吉弘行中村恭

AI概要

【事案の概要】 本件は、発明の名称を「通信回線を用いた情報供給システム」とする特許(特許第3701963号)に関する審決取消請求事件である。被告(特許権者・株式会社アイペックス)は、インターネットや電話網を介して管理コンピュータが監視端末(カメラ等)の情報を利用者に供給するシステムについて特許を取得した。原告(イッツ・コミュニケーションズ株式会社)は、当該特許が国際公開第00/36807号公報(甲1)に記載された発明(保育所のカメラ画像を暗号化VPNを通じて認証された親に配信するシステム)と同一であり新規性を欠くとして、また仮に相違点があるとしても進歩性を欠くとして特許無効審判を請求した。特許庁は「本件審判の請求は成り立たない」との審決をし、原告がその取消しを求めて本件訴訟を提起した。 【争点】 (1)甲1発明を主引用例とする新規性判断の誤りの有無(取消事由1)。具体的には、相違点1(本件発明では管理コンピュータ側に監視端末側のIPアドレス及び監視端末IDを含む監視端末情報が利用者IDに対応付けられて登録されている「利用者データベース」を備えるのに対し、甲1発明ではそのような対応付けが特定されていない点)及び相違点2(本件発明では回線再接続時に監視端末側からIPアドレス登録要求を受け付けて登録処理する手段と、監視端末側の自己接続機能を備えるのに対し、甲1発明ではこれらが特定されていない点)が実質的な相違点か否か。 (2)甲1発明を主引用例とする進歩性判断の誤りの有無(取消事由2)。相違点1及び相違点2に係る構成が当業者にとって容易に想到できたか否か。 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。 相違点1について、裁判所は、本件発明の「利用者データベース」とは、利用者を識別できる情報(利用者ID)に、監視端末側に付与されたIPアドレス等の情報が検索できる程度に対応付けて登録されているものを要すると解釈した。その上で、甲1発明のデータベース362にはセンタコード・ユーザ名・パスワード・カメラ名が対応付けられて記憶されており、IPアドレスはセンタコード又はカメラ名に直接対応付けられていると理解するのが自然であるが、ユーザ名やパスワードといった利用者IDとIPアドレスとを対応付ける記載は甲1号証にはなく、甲1発明の構成上そのような対応付けの必要性もないとした。原告は、甲1発明の「アクセス装置338」等と「データベース362」を合わせた集合体が本件発明の利用者データベースに相当すると主張したが、裁判所は、両者は単にあい続いて利用されるだけであり「対応付けられて登録されている」とはいえないとして退けた。相違点1は実質的な相違点であるとして、相違点2の検討に入るまでもなく、新規性欠如の主張は理由がないとした。 進歩性についても、甲1発明においてIPアドレスを利用者IDと対応させてセンササーバに記憶する技術的必要性がなく動機付けもないとして、相違点1に係る構成は当業者が容易に想到できたものとはいえないと判断し、進歩性欠如の主張も理由がないとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。