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下級裁

地位確認等請求事件

判決データ

事件番号
平成29ワ35106
事件名
地位確認等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年3月18日
裁判官
伊藤由紀子戸室壮太郎髙市惇史

AI概要

【事案の概要】 本件は、全国の神社を包括する宗教法人である被告に雇用されていた原告A1(総合研究部長・参事)及び原告A2(教化広報部長・参事)が、それぞれ被告から受けた懲戒処分の無効を争った事案である。 被告は、所有していた職舎(百合丘職舎)を平成27年10月に株式会社D社に対して1億8000万円で売却したが、原告A1は、この売買が被告の総長やI会長らによる背任行為であるとして、「檄」と題する文書(本件文書)を作成し、平成28年12月に被告の理事2名に手交した。本件文書は、疑惑の当事者を一掃し人事を一新するよう呼びかける内容であった。その後、本件文書の匿名化版が県神社庁やマスコミ等に広く流布された。さらに原告A1は、知人の警察官に被告の内部資料を交付して相談を行った。 被告は、平成29年8月25日、原告A1に対し懲戒解雇の意思表示をし(本件解雇)、原告A2に対し降格(教化広報部長を免じ参事を免じて主事とする処分)及び減給の意思表示をした(本件処分)。原告A1は本件解雇が無効であるとして雇用契約上の地位確認及び賃金(月額63万5789円)の支払を求め、原告A2は本件処分が無効であるとして降格及び減給の無効確認並びに減額分の賃金の支払を求めた。 【争点】 1. 原告A1に対する本件解雇の有効性(解雇理由1〜4の懲戒事由該当性、正当な内部告発・公益通報としての保護の可否、社会通念上の相当性) 2. 降格処分において、現職を免じる処分と給与等級を引き下げる処分を併科する権限の有無 3. 原告A2に対する本件処分の有効性(処分理由1〜4の懲戒事由該当性、社会通念上の相当性) 【判旨】 裁判所は、原告ら双方の請求をほぼ認容し、本件解雇及び本件処分をいずれも無効と判断した。 解雇理由1(本件文書の作成・交付)について、裁判所は、本件文書の交付が被告の信用を毀損し組織秩序を乱す行為として就業規則の懲戒事由に外形的に該当するとしつつ、公益通報者保護法の趣旨に照らした検討が必要であるとした。その上で、本件売買の価格が一般的な取引価格より相当低額であったこと(売却直後に3240万円〜1億2500万円高い価格で転売が成立していたこと)、売買価格の決定が買主側の鑑定書のみに依拠していたこと、評議員会等における説明が不十分であったこと、D社が被告との過去の取引でも好条件を得ていたこと等から、原告A1が背任行為を真実と信じるに足りる相当の理由があったと認定した。また、通報目的は不正な目的ではなく、手段も相当であったとして、主要部分について違法性が阻却されると判断した。 解雇理由2(本件文書への関与の否定)についても、公益通報者保護の見地から重大として非難することは相当でないとし、解雇理由3(警察官への資料交付)についても同様に違法性が阻却されるとした。解雇理由4(質問状の送付)は懲戒事由に該当しないとした。 以上から、本件解雇は客観的合理的な理由がなく社会通念上相当性を欠き無効であると結論づけた。 原告A2に対する本件処分については、処分理由1(A2発言①〜④)は事実を述べたものであり懲戒事由に当たらず、処分理由3(面談記録の交付)も情報漏洩とはいえず懲戒事由に該当せず、処分理由4(質問状の送付)も懲戒事由に該当しないとした。処分理由2(宴席での総長に対する侮辱的発言)のみが懲戒事由に該当するとしたが、宴席における一回限りの発言で後に謝罪もしていることから、降格・減給とすることは重きに失するとして、本件処分も無効と判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。