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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和2行ケ10096
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年3月25日
裁判官
森義之眞鍋美穂子熊谷大輔

AI概要

【事案の概要】 本件は、発明の名称を「止痒剤」とする特許第3531170号の特許権存続期間の延長登録を無効とした審決の取消訴訟である。原告(東レ株式会社)は、オピオイドκ受容体作動性化合物を有効成分とする止痒剤に関する特許を有し、ナルフラフィン塩酸塩を有効成分とする医薬品「ノピコールカプセル2.5μg」(慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善を効能とする)について薬機法14条1項の承認(本件処分)を受けたことを理由に、5年間の存続期間延長登録を受けた。これに対し、被告沢井製薬が延長登録の無効審判を請求し、被告ニプロが参加した。特許庁は、本件特許の請求項1は一般式(I)で表される化合物(フリー体)のみを有効成分とし、ナルフラフィン塩酸塩(酸付加塩)は含まないと解釈し、本件医薬品の有効成分はナルフラフィン塩酸塩であるから本件発明の実施に本件処分を受けることが必要であったとは認められないとして、延長登録を無効とする審決をした。原告はこれを不服として審決の取消しを求めた。 【争点】 (1) 被告ニプロに被告適格があるか否か(中間判決で肯定済み)、(2) 本件医薬品の有効成分の認定(ナルフラフィン塩酸塩のみか、フリー体のナルフラフィンも含むか)、(3) 本件発明の実施に本件処分を受けることが必要であったか否か。特に、延長登録制度の趣旨に照らし、承認書の「有効成分」欄の記載から形式的に判断すべきか、実質的に判断すべきかが中心的争点となった。 【判旨】 審決取消し(原告の請求認容)。裁判所は、特許権の存続期間延長登録制度が政令処分を受けることが必要であったために特許発明の実施をすることができなかった期間を回復する目的のものであることから、本件処分の内容は承認書の記載から形式的に判断すべきではなく、実質的に判断すべきであるとした。そして、(1)塩基性化合物の溶解性や安定性を向上させるために塩酸等で付加塩を形成すること、生体内では付加塩からフリー体が解離しフリー体が薬効・薬理作用を奏することは当業者の技術常識であること、(2)ナルフラフィン塩酸塩もヒトに投与されると体内でナルフラフィンと塩化物イオンに解離し、ナルフラフィンが薬効・薬理作用を奏すること、(3)各種文献・専門家意見書において付加塩のフリー体も「有効成分」と捉えられていること、(4)本件添付文書やインタビューフォームでもナルフラフィン塩酸塩とナルフラフィンが併記され、薬物動態の血漿中濃度推移等はナルフラフィンを測定して得られたものであること等を総合し、本件医薬品の有効成分は「ナルフラフィン塩酸塩」と「ナルフラフィン」の双方であると認定した。したがって、ナルフラフィン塩酸塩のみを有効成分と認定した審決は誤りであるとして、審決を取り消した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。