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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和2行ケ10097
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年3月25日
裁判官
森義之眞鍋美穂子熊谷大輔

AI概要

【事案の概要】 本件は、発明の名称を「止痒剤」とする特許第3531170号の特許権存続期間延長登録(出願番号2017-700309号)を無効とした審決に対する取消訴訟である。原告(東レ株式会社)は、オピオイドκ受容体作動性化合物を有効成分とする止痒剤に関する本件特許を有し、販売名「レミッチカプセル2.5μg」(有効成分:ナルフラフィン塩酸塩)について、薬機法14条9項に基づく製造販売承認事項一部変更承認(本件処分)を受けて存続期間延長登録を得た。本件医薬品には先行する2つの処分があり、先行処分1は「血液透析患者におけるそう痒症の改善」、先行処分2は「慢性肝疾患患者におけるそう痒症の改善」を効能・効果とするものであった。本件処分は「腹膜透析患者」への効能追加を内容とし、延長登録では「透析患者(血液透析患者を除く)、慢性肝疾患患者」が用途として記載された。被告沢井製薬が請求した無効審判において、特許庁は、(無効理由1)本件発明の請求項1の「一般式(I)で表されるオピオイドκ受容体作動性化合物」にはナルフラフィン塩酸塩(酸付加塩)が含まれないため本件処分を受ける必要がなかった、(無効理由2)慢性肝疾患患者を対象とする部分は先行処分2と重複する、との理由で延長登録全体を無効とする審決をした。 【争点】 (1) 本件医薬品の有効成分に関する事実認定の誤り(取消事由1):本件医薬品の有効成分はナルフラフィン塩酸塩のみか、フリー体のナルフラフィンも含むか。本件発明の実施に本件処分を受けることが必要であったか。 (2) 延長登録の一部無効の可否(取消事由5):延長登録の一部について無効理由がある場合に、当該部分のみを無効とすることができるか。延長登録全体を無効とした審決の判断は正当か。 【判旨】 一部認容・一部棄却。取消事由1について、裁判所は、特許権存続期間延長登録制度の趣旨に照らし、本件処分の内容は実質的に判断されるべきであり、承認書の「有効成分」の記載から形式的に判断すべきではないとした。医薬品について、良好な物性と安定性の観点からフリー体に酸等を付加して塩とされる場合があること、人体に取り込まれた際には付加塩からフリー体が解離してフリー体が薬効・薬理作用を奏すること、ナルフラフィンとナルフラフィン塩酸塩で薬効・薬理作用に違いがないことは当業者に広く知られていたと認定した。添付文書やインタビューフォームの記載、専門家の意見書等を総合し、本件医薬品の有効成分は「ナルフラフィン塩酸塩」と「ナルフラフィン」の双方であると認め、審決の認定は誤りであるとして取消事由1を認めた。取消事由5について、裁判所は、審決は無効理由2に基づいて慢性肝疾患患者に関する部分のみを無効としたものと解し、延長登録を全体として不可分と解すべき根拠はなく、用途の一部について処分を受ける必要がなかった場合にはその部分のみを無効にすべきであると判示した。結論として、審決のうち慢性肝疾患患者に関する部分を無効とした部分以外を取り消し、その余の請求を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。