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下級裁

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和2ネ1325
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
東京高等裁判所
裁判年月日
2021年3月25日
裁判種別・結果
その他
裁判官
定塚誠定塚誠德増誠一
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 証券会社である控訴人(控訴会社)の執行役員で投資銀行本部副本部長であった被控訴人が、株式公開買付けが予定されていた3社(D社・G社・H社)に関するインサイダー情報を、公表前に知人Bに漏洩し、BがF名義でこれら3社の株式を購入した事案である。被控訴人は金融商品取引法167条3項違反(インサイダー取引の教唆犯)で逮捕・起訴され、横浜地裁で懲役2年6月・執行猶予4年の有罪判決を受け、控訴審(東京高裁)・上告審(最高裁)を経て刑事有罪判決が確定した。控訴会社は、被控訴人の不法行為又は内部者取引管理規程違反の債務不履行に基づき、調査委員会費用・従業員人件費・被控訴人給与・信用毀損損害・弁護士費用の合計約6億1191万円の損害のうち、一部の5991万1411円及び遅延損害金の支払を求めた。原審(第一審)は被控訴人の犯罪行為の事実を否定し請求を棄却したため、控訴会社が控訴した。主たる争点は、(1)被控訴人の不法行為又は債務不履行の成否、(2)損害の発生及び額、(3)不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効の成否であった。 【争点】 1. 被控訴人のインサイダー情報漏洩行為(金商法167条3項違反の教唆)が不法行為又は債務不履行に当たるか 2. 控訴会社が主張する各損害(調査委員会費用、従業員人件費、被控訴人給与、信用毀損損害、弁護士費用)と被控訴人の行為との間に相当因果関係があるか、また損害額はいくらか 3. 不法行為に基づく損害賠償請求権が消滅時効により消滅したか 【判旨】 控訴認容(一部認容・一部棄却、原判決取消し)。裁判所は、刑事有罪判決の確定及び各刑事裁判の証拠等を総合し、被控訴人がBに対し3社のインサイダー情報を公表前に伝達した不法行為の成立を認め、内部者取引管理規程違反による債務不履行にも該当するとした。損害については、有形損害(調査委員会費用約2391万円、専従従業員人件費558万円、捜査機関対応の従業員人件費約295万円、被控訴人給与約1201万円)はいずれも控訴会社自身の社会的責務を全うするための支出又は雇用契約上の義務に基づく給与支払であり、被控訴人の行為との相当因果関係を否定した。無形損害(信用毀損)については、被控訴人の逮捕報道により控訴会社の信用が毀損されたことは認めつつも、逮捕を含む事業年度の営業利益はむしろ倍増に近い伸びを示していること、別のインサイダー取引事件による業務改善命令の影響との区別が困難であることから、具体的に金銭評価可能な損害は社債引受案件1件の取消しによる引受手数料2500万円に限られるとした。その上で、使用者と被用者の間の損害の公平な分担の見地(最判令和2年2月28日参照)から、証券会社としてインサイダー取引防止の社会的責務の重大さ、銀行出向者への研修不足、証券業界でのインサイダー取引多発の背景等を考慮し、2500万円の4割は控訴会社が負担すべきとして、被控訴人の賠償額を6割の1500万円と認定した。弁護士費用は相当因果関係ある損害と認めなかった。消滅時効については、被控訴人が一貫して情報漏洩を否認し、刑事第一審有罪判決宣告前には控訴会社が損害賠償請求を事実上行うことは不可能であったとして、時効消滅の主張を排斥した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。