発信者情報開示請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 原告(昭和62年生まれの女性)は、友人のアパレルブランド立ち上げを祝う趣旨で、同ブランドの洋服を着用した自身の写真をスマートフォンで撮影し、インスタグラムに投稿した。ところが、令和2年10月5日、インターネット掲示板「ホストラブ」に、原告に無断で当該写真が複製・投稿された。原告は、掲示板運営会社から投稿者のIPアドレスの開示を受け、当該IPアドレスを割り当てていたプロバイダ(被告・ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社)に対し、プロバイダ責任制限法4条1項に基づき、投稿者の氏名・住所・電話番号・メールアドレスの開示を求めた。 【争点】 ①本件投稿によって原告の著作権(複製権・公衆送信権)が侵害されたことが明らかといえるか。被告は、原告の自撮り写真にはカメラの機械的作用に依存する部分が大きく、背景や照明にも工夫がないため創作性が認められないと主張した。 ②発信者情報が原告の損害賠償請求権の行使のために必要であるか。 【判旨】 請求認容。裁判所は、本件写真について、原告が友人のブランドの洋服を着用して撮影しインスタグラムに投稿したという撮影の動機・目的を踏まえ、原告自身及び洋服が際立って見えるよう工夫されており、構図・カメラアングルの設定・シャッターチャンスの捕捉等において撮影者の思想等を創作的に表現したものであると認め、著作物に該当すると判断した。そのうえで、原告が第三者に写真の利用を許諾したことはなく、著作権法上の権利制限事由その他不法行為の成立を妨げる事由も認められないことから、本件投稿により原告の著作権(複製権及び公衆送信権)の侵害が明らかであるとした。また、発信者情報は損害賠償請求権の行使のために必要であると認め、開示を命じた。