不正競争行為差止等請求事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 原告(蛇口一体型浄水器及び交換用カートリッジの製造販売会社)が、被告(原告製浄水器用の互換浄水カートリッジの製造販売会社)に対し、被告がウェブサイト等において被告商品について「最大約30%節水」「通水中の水を瞬時に除菌」「還元されたおいしい水に」等の表示をしたことが、不正競争防止法2条1項20号の品質等誤認表示に該当すると主張して、同法3条に基づく表示の差止め・除去、及び同法4条・民法709条に基づく損害賠償(約1596万円)を求めた事案である。 【争点】 (1) 被告表示が品質等誤認表示に該当するか(節水性能、通水除菌性能、通水後の水の除菌性能、汚染物質の除去性能、亜鉛・マグネシウムの溶出、浄化・消臭性能、還元効果、電池との表記の各項目)、(2) 令和2年1月の一部表示変更後も品質等誤認表示に該当するか、(3) 原告の損害の有無及び額。 【判旨】 裁判所は、兵庫分析センターが実施した各種試験結果に基づき、被告商品には被告表示が示す節水性能、除菌性能、亜鉛・マグネシウムの溶出効果、浄化・消臭性能及び還元効果がいずれも認められないと判断した。具体的には、被告商品は原告製カートリッジよりろ過水量が多く節水効果がないこと、大腸菌・黄色ブドウ球菌の除去性能がないこと、マグネシウム濃度が増加しないこと等が認定された。被告は、試験条件が不適切で被告商品のメカニズムが阻害されたと主張したが、試験中に菌液等を通水する工程があり電気伝導物質により活性酸素が発生し得るとして排斥された。また、被告が提出した試験結果は被告商品とは異なる試作品を用いたものであり、被告商品自体の試験結果は提出されていないとした。一部表示変更後の被告表示についても、被告表示4・9(電池関連)を除き品質等誤認表示に該当すると認定した。損害額については、不競法5条2項により約2458万円と推定したうえで、被告商品の交換不要・維持費ゼロという高い経済性・効率性が購入の主たる動機であること等を考慮し、90%の覆滅を認め、弁護士費用25万円を加えた270万8535円の損害賠償を認容した。