AI概要
【事案の概要】 京都府茶協同組合(原告)が、「Ujicha」の文字を標準文字で表した商標について、第30類(宇治地域に由来する製法により仕上加工した緑茶及びその加工品等)を指定商品として団体商標登録出願をしたところ、特許庁が商標法3条1項3号(産地等の表示)に該当し、同条2項(使用による識別力の獲得)の要件も具備しないとして拒絶審決をしたため、その取消しを求めた事案である。原告は既に漢字表記の「宇治茶」について地域団体商標登録を有していた。 【争点】 (1) 商標法3条1項3号該当性:欧文字表記「Ujicha」が商品の産地等を「普通に用いられる方法で表示する」ものに当たるか。原告は、欧文字表記は漢字表記と異なり普通に用いられる方法ではないこと、地域団体商標の趣旨が没却されることを主張した。 (2) 商標法3条2項該当性:本願商標が使用により自他識別力を獲得したか。原告は、組合員が10年以上前から商品包装に表示してきたこと、地域団体商標の登録要件を満たす商標は当然に3条2項の要件も満たすと主張した。 【判旨】 請求棄却。(1)について、裁判所は、ローマ字の普及状況に鑑み「Ujicha」は「宇治茶」の表音を欧文字で表記したものと容易に認識でき、多数のウェブサイトで「UJICHA」等の欧文字表記が包装に使用されている実情があるとして、国際化の進展や外国人需要者の増加も考慮すれば「普通に用いられる方法」に当たると判断した。地域団体商標の登録は、商標法7条の2が3条1項3号該当を前提とした特別規定であることから、登録があるからといって3号非該当とはならないとした。(2)について、組合員の使用例のうち「UJICHA TEA BAG」は本願商標と実質的同一とはいえず、他の使用例も産地表示か出所表示か不明確であり、販売数量・売上金額・市場占有率等の立証も不十分であるとして、全国的な識別力の獲得を否定した。地域団体商標の登録要件は3条2項より緩和されたものであり、前者の充足が後者の充足を意味しないとも判示した。