AI概要
【事案の概要】 原告は、自身がツイッター上に投稿した文章及びイラスト(原告作品)について、被告がこれらに依拠してイラスト及び文章(被告作品)を制作し、ウェブサイトに掲載した行為が、原告の翻案権、公衆送信権・送信可能化権及び同一性保持権を侵害すると主張した。原告は、被告作品を掲載した全記事の削除と、損害賠償金約394万円の支払を求めた。原告作品と被告作品はいずれも特定のキャラクターの二次創作であり、身長差のある2人の登場人物による性的な描写を内容とするものであった。 【争点】 (1) 翻案権・公衆送信権・送信可能化権侵害の有無:原告文章(言語の著作物)と被告イラスト(美術の著作物)、原告イラスト(美術の著作物)と被告文章(言語の著作物)の間で、表現上の本質的特徴の同一性が認められるか。 (2) 同一性保持権侵害の有無:被告作品の制作が原告作品の改変に当たるか。 (3) 被告作品を掲載した記事の削除の必要性。 (4) 原告の損害額。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、著作権法は思想又は感情の創作的な表現を保護するものであり、アイデアや表現上の創作性がない部分において同一性を有するにすぎない場合は翻案に当たらないとの判断枠組みを示した上で、原告文章と被告イラストの共通部分は「身長差のある2人の登場人物が特定の体位で性行為を行っている」等の描写対象の設定にとどまり、これはアイデアにすぎないか、仮に表現と捉えても平凡かつありふれたもので創作性がないと判断した。原告イラストと被告文章についても同様に、共通部分は登場人物の勘違いという設定にとどまり、表現上の創作性がない部分であるとした。したがって翻案権侵害は成立せず、同一性保持権侵害も、被告作品は原告作品の表現形式上の本質的特徴を感得させない別個の著作物であるとして否定した。