AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社ハマサキ・ホールディング)は、「ざんまい」の文字を横書きにしてなる登録第5556223号商標(指定商品:第30類「すし」、平成25年2月設定登録)の商標権者である。被告(株式会社喜代村)は、平成30年1月、本件商標について商標登録無効審判を請求した。特許庁は、本件商標が商標法4条1項15号(混同を生ずるおそれ)に該当するとして登録を無効とする審決をした。原告がこの審決の取消しを求めて本件訴訟を提起した。被告は「すしざんまい」チェーン店を全国展開し、引用商標1(「つきじ喜代村」「すしざんまい」「SUSHIZANMAI」を3段に配した結合商標)及び引用商標2(「すしざんまい」の標準文字商標)の商標権者である。 【争点】 本件商標「ざんまい」が商標法4条1項15号に該当するか否か、すなわち、本件商標を指定商品「すし」に使用した場合に、需要者が引用商標「すしざんまい」を想起・連想し、被告又は被告と経済的・組織的関係を有する者の業務に係る商品であるかのように出所の混同を生ずるおそれがあるか。具体的には、(1)本件商標と引用商標の類似性の程度、(2)引用商標の周知著名性、(3)指定商品「すし」と指定役務「すしを主とする飲食物の提供」の関連性・需要者の共通性、(4)原告の宅配寿司と被告の店舗営業という業態の相違が混同のおそれの判断に影響するかが争われた。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、以下の理由から本件商標が商標法4条1項15号に該当するとした審決の判断に誤りはないとした。まず、引用商標の周知著名性について、被告は平成13年に「すしざんまい本店」を開店後、平成24年12月までに全国40店舗を展開し、すし店の売上高・シェアにおいて全国1位であったこと、多数のテレビ番組・新聞・雑誌で全国的規模にわたり繰り返し紹介されたこと等を総合し、「すしざんまい」の表示は本件商標の登録出願時及び登録査定時において著名であったと認定した。次に、本件商標「ざんまい」と引用商標は外観・称呼は異なるものの、本件商標が指定商品「すし」に使用された場合、「すし」に関連する登録商標の使用においては「すし」等の表示を付加して使用することが普通であり、現に原告自身も「寿司ざんまい」として使用していることから、需要者は被告の「すしざんまい」チェーン店を想起し、観念において共通するとした。さらに、指定商品「すし」と指定役務「すしを主とする飲食物の提供」は需要者が一般消費者である点で共通し、販売・提供の対象がいずれも「すし」である点で共通すると判断した。原告の業態の相違の主張についても、混同のおそれの判断を左右するものではないとして排斥した。