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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和2行ケ10130
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年4月20日
裁判官
森義之佐野信中島朋宏

AI概要

【事案の概要】 本件は、「新改型超伝導電磁エンジン」と題する発明について特許出願をした原告が、拒絶査定を受けた後に不服審判を請求したところ、特許庁が審判請求不成立の審決をしたため、その取消しを求めた訴訟である。 本願発明は、磁気シールドで半分程度を覆った超伝導磁石に対して固定された位置にあるループに直流電流を流し、超伝導磁石の永久電流に働く電磁力を無効とすることで、ループに発生した電磁力を推進力・制動力・浮力として利用する装置に関するものである。特許庁は、(1)明細書の補正が新規事項の追加に当たり特許法17条の2第3項に違反すること、(2)発明の詳細な説明が実施可能要件(特許法36条4項1号)を満たさないこと、(3)特許請求の範囲の記載が明確性要件(特許法36条6項2号)を満たさないことを理由に、審判請求を不成立とした。原告は、入院中で意見書を提出できなかった手続違反も主張した。 【争点】 (1) 手続違反の有無(拒絶理由通知に対する意見書を提出できなかったこと) (2) 本件補正の適法性(新規事項追加の有無) (3) 実施可能要件違反の有無(本願発明の作動原理について当業者が実施できる程度の記載があるか) (4) 明確性要件違反の有無 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。 手続違反について、拒絶理由通知書は適法に送達されており、原告は審決の11日前に退院していたのだから、必要であれば意見書提出期間の延長を請求できたとし、手続上の違法はないと判断した。 本件補正について、追加された事項は先行技術文献(特許文献1及び甲2文献)の記載の一部から成るものであるが、当初明細書等にはそれらのどの部分を引用するかは記載されておらず、各文献から直ちに追加部分を把握できないことから、新規事項の追加に当たると認定した。原告は甲2文献の出版から年数が経過しているため発明の原理が技術常識になっていると主張したが、出版から年数が経過しただけでは技術常識とは認められないとして排斥した。 実施可能要件について、超伝導磁石の永久電流に働く電磁力を無効にしてループの電磁力を推進力等として利用する原理の説明が当初明細書等に記載されておらず、技術常識ともいえないと判断した。特に、超伝導磁石とループが互いに固定されている以上、作用・反作用の法則により両者に働く力は釣り合い、装置全体を動かす力は発生しないと考えるのが自然であるとした。原告が「ストレンジクラフト」の写真集を本願発明の実施例として提出した点も、同写真の物体が本願発明の原理を利用したものと認めるに足りる証拠はないとして退けた。以上により、実施可能要件違反を認めた審決の判断に誤りはないとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。