AI概要
【事案の概要】 被告人は、自転車を運転中、複数回にわたり自動車に対する妨害運転を行い、また通行人に暴行を加えた事案である。 具体的には、(1)平成30年9月、埼玉県桶川市の路上で、被害者(当時70歳)に対し石を投げつけて左腰部に当てる暴行を加えた(暴行罪)。(2)令和2年3月、埼玉県上尾市付近の道路で自転車を運転中、後方から進行してきた自動車の直前に急転把して進出し、危険な方法で運転した(道路交通法違反)。(3)同年9月、千葉県流山市付近の道路で、準中型貨物自動車の通行を妨害する目的で、3回にわたり急転把して同車の直前に進出する妨害運転を繰り返した。(4)同年10月、埼玉県桶川市付近の道路で、対向車線を進行してきた自動車2台に対し、それぞれ妨害する目的で車道中央線上に進出して接近する危険運転を行った。 被告人は、本件と同種の自転車による妨害運転を含む罪で令和2年2月に懲役2年・執行猶予4年(保護観察付き)の判決を受けていたにもかかわらず、わずか1か月余りで再び同種犯行に及び、その後も犯行を繰り返したものである。 【判旨(量刑)】 裁判所は、自転車による妨害運転の各犯行について、重大な交通事故を引き起こしかねない危険で悪質な犯行であると指摘した。犯行動機は、自動車の運転者に嫌がらせをすることで快感を味わいたいというもので、身勝手極まりないと断じた。特に、同種犯行による執行猶予判決からわずか1か月余りで再犯に及んだ点を重視し、強い非難に値するとした。暴行の犯行についても、注意した被害者に立腹して石を投げつけたもので危険かつ身勝手な犯行であるとした。 被告人が各公訴事実を認めて反省の態度を示していること、勤務先を解雇されるなど社会的制裁を受けたこと、前刑の執行猶予が取り消され本刑と併せて執行されることなどの事情を考慮しても、暴行罪について罰金20万円、妨害運転等の道路交通法違反について懲役8月が相当であるとした(求刑:罰金20万円及び懲役10月)。