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知財

特許権侵害差止等請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和2ネ10019
事件名
特許権侵害差止等請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年5月19日
裁判官
鶴岡稔彦上田卓哉中平健
原審裁判所
大阪地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、「油冷式スクリュ圧縮機」に関する特許権(本件特許権)を有していた一審原告(神戸製鋼所)が、一審被告(前川製作所)の製造・販売する製品が本件特許の技術的範囲に属するとして、特許権侵害の不法行為に基づき、損害賠償金約126億円の支払を求めた事案の控訴審である。 本件特許は、油冷式スクリュ圧縮機において、スラスト軸受とバランスピストンとの間に圧力遮断する仕切り壁を設け、バランスピストンの仕切り壁側の空間に油溜まり部の油を加圧することなく導く均圧流路を設けた構成を特徴とする発明である。 原審(大阪地裁)は、一審原告の請求を約13億8000万円の限度で認容し、その余を棄却した。これに対し、一審原告・一審被告の双方が控訴した。 【争点】 主な争点は、(1)一審被告の当審における特許無効主張が時機に後れた攻撃防御方法として却下されるべきか、(2)本件発明と先行技術である乙114発明との対比における3つの相違点(油分離回収器、圧力遮断する仕切り壁、非加圧流路)が実質的な相違点か否か、(3)乙114発明に周知技術(乙1、乙3、乙120、乙121)を適用することによる本件発明の容易想到性(進歩性の有無)である。 【判旨】 知財高裁は、一審被告の無効主張は時機に後れた攻撃防御方法として却下すべきものとは認められないとした上で、本件発明に係る特許は進歩性を欠き、特許無効審判により無効にされるべきものであるから、一審原告は特許権を行使することができないと判断した。 具体的には、相違点1(油分離回収器)については、油冷式スクリュ圧縮機が油分離回収器を備えることは技術常識であり、実質的な相違点ではないとした。相違点2(圧力遮断する仕切り壁)については、乙114発明の部品7、5、4が、スラストピストン室とベアリングが配置された空間とを圧力遮断する機能を有しているとして、やはり実質的な相違点ではないとした。相違点3(非加圧流路)については、逆スラスト荷重状態の発生という課題は乙1等の先行文献で示されていたスクリュ圧縮機一般の課題であり、バランスピストンのピストン室に油を加圧することなく供給する構成は出願前の周知技術であったことから、当業者が容易に想到できたと認定した。 以上により、一審被告の控訴を認容して原判決中一審被告敗訴部分を取り消し、一審原告の請求を全部棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。