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知財

特許権侵害差止等請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ21900
事件名
特許権侵害差止等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年5月20日
裁判官
國分隆文小川暁佐々木亮

AI概要

【事案の概要】 本件は、「空調服の空気排出口調整機構、空調服の服本体及び空調服」に関する特許(特許第6158675号)の特許権者である原告(株式会社セフト研究所)が、被告(ビッグボーン商事株式会社)に対し、被告が製造販売する電動ファン付きウエア(空調服)22製品が原告の特許発明の技術的範囲に属すると主張して、特許法100条1項・2項に基づく差止め及び廃棄、並びに民法709条に基づく損害賠償金3億3000万円(特許法102条2項による逸失利益3億2000万円及び弁護士費用1000万円)の支払を求めた事案である。 空調服とは、電動ファンで服内に外気を取り込み、体表面の汗を蒸発させて気化熱で冷却する作業着である。本件特許発明は、空調服の襟後部に二つの調整ベルトを設け、一方のベルトのボタンを他方のベルトの複数のボタンホールのいずれかに取り付けることで、襟後部と首後部の間の空気排出口の開口度を複数段階で調整できるようにした機構に関するものである。従来は調整紐を結んで開口度を調整していたが、紐を適切な長さに結ぶことが難しいという課題を解決するために開発された。 【争点】 (1) 被告各製品が本件各発明の技術的範囲に属するか(構成要件充足性) (2) 無効の抗弁の成否(明確性要件違反、乙2公報を主引用例とする新規性欠如及び進歩性欠如) (3) 損害額(特許法102条2項の推定と覆滅事由) (4) 差止め等の必要性 【判旨】 裁判所は、原告の請求を一部認容した。 争点(1)について、被告各製品はゴムベルトに複数のボタンホール、布ベルトにボタンを有し、取り付け位置を変えることで襟後部の開口度を調整できる構成を備えていることから、構成要件A~Gをすべて充足し、本件各発明の技術的範囲に属すると認定した。 争点(2)について、明確性要件違反は認められないとした。新規性欠如についても、先行文献(乙2公報)の発明との相違点が認められるとして否定した。進歩性欠如についても、先行文献にボタン等の周知技術を組み合わせても、一定の領域を形成する「調整ベルト」に相当するものがなく、本件発明に想到できないとして否定した。 争点(3)について、被告の利益額は5652万1465円と認定したうえで、推定の覆滅事由を検討した。本件発明は従来の調整紐をボタン付きベルトに置き換えたものにすぎず技術的意義が大きくないこと、発明実施部分の製造費用が1着あたり41~42円と販売価格の1~2%にすぎないこと、顧客誘引力が高くないこと等から80%の覆滅を認めた。さらに、電動ファン付きウエア市場に競合品が存在することから50%の覆滅を認め、損害額を565万2147円(弁護士費用60万円を加え合計625万2147円)と算定した。請求額3億3000万円に対し、認容額は約1.9%にとどまった。 差止め及び廃棄については、被告が今後も侵害品を製造販売するおそれがあるとして認容したが、輸出入の差止めは必要性が認められないとして棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。