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知財

損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和2ネ10063
事件名
損害賠償請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年5月27日
裁判官
菅野雅之本吉弘行岡山忠広
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 本件は、発明の名称を「LED電灯装置」とする2件の特許(特許第5317848号及び特許第5677520号)の特許権者である控訴人(原告)が、被控訴人(被告)の製造販売するLED電球が上記各特許発明の技術的範囲に属すると主張して、不法行為に基づく損害賠償として1100万円(特許法102条3項に基づく損害額の一部1000万円及び弁護士・弁理士費用100万円)の支払を求めた事案の控訴審である。 本件各特許は、LED電球において、半球状の光透過性カバー部材の内面を凹曲面状の反射面とし、LED光源からの光の一部をカバー部材の反射面で反射させ、カバー部材の内側にLED光源の像を結像させることで、フィラメント型電球のように電球内部に光源が存在するように見せ、従来のLED電球の違和感を解消するという技術思想に係るものである。 原審(東京地裁)は、本件各発明について、東芝ライテック株式会社が出願日前に発売したLED電球「一般電球形4.3W」(東芝製品)の構成と同一であり、公然実施された発明(特許法29条1項2号)として新規性を欠くから、特許は無効にされるべきものであるとし、同法104条の3第1項により控訴人は特許権を行使できないとして、請求をいずれも棄却した。控訴人がこれを不服として控訴した。 【争点】 主な争点は、(1)本件各発明の構成要件E及びE'における「結像」の意義(特に、LED光源の像を視認できることが必要か)、(2)東芝製品が本件各発明の構成要件を備えているか(新規性の有無)、(3)東芝製品が「公然実施」されたといえるか、(4)控訴審で追加主張された訂正の再抗弁(「LED光源の像」を「LED光源の輪郭を有する像」に訂正することで無効理由が解消されるか)である。 【判旨】 知財高裁は、控訴を棄却し、原判決を維持した。 まず「結像」の意義について、構成要件E及びE'は光の反射によりLED光源の「像」が「結像」するという客観的事実を示すものであり、それを視認できることを要件としていないと判断した。実像は光が実際に収束して形成されるものであるが、収束した光が届かない視点からは視認できないのは自明であるところ、特許請求の範囲には像と観測者の視点の位置関係を特定する記載がないから、「結像」が常に姿・形を視認できるものでなければならないとはいえないとした。また、完全な凹面鏡を構成しないカバー部材内面による結像では、正確に光源の形を再現し物体と相似な形となることは予定されていないとした。 東芝製品については、グローブの一部を切除してスクリーンを差し込む実験により、LEDチップからの光がグローブ内側で反射・収束して結像が生じていることが客観的に確認されるとして、構成要件E及びE'の充足を認めた。公然実施の点についても、東芝製品は販売により秘密状態を脱し、競合他社が分解・解析して内部構造を知り得る状況にあったとして、公然実施を肯定した。 訂正の再抗弁についても、東芝製品がLED光源の像を結像する以上、スクリーンに映された光の塊は輪郭が分かる形状を有しているから、「LED光源の輪郭を有する像」への訂正によっても無効理由は解消されないとして、再抗弁を排斥した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。