各大麻取締法違反(変更後の訴因|国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反,大麻取締法違反)被告事件
判決データ
- 事件番号
- 令和2わ821
- 事件名
- 各大麻取締法違反(変更後の訴因|国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反,大麻取締法違反)被告事件
- 裁判所
- 札幌地方裁判所
- 裁判年月日
- 2021年5月31日
- 裁判官
- 石田寿一、古川善敬、北村規哲
AI概要
【事案の概要】 被告人両名は、対等な友人関係にあり、令和元年12月中旬頃から令和2年9月頃にかけて、北海道恵庭市内の3か所の拠点で、営利目的で大麻草合計227本を栽培し、これを業として行った。両名は、売上や経費を折半する合意の下、大麻の栽培・トリミング・梱包等の作業を分担し、匿名性の高いSNSアプリや仮想通貨を利用して不特定多数の顧客に大麻を販売していた。また、栽培拠点である被告人B方において大麻を含有する植物片約409.7グラムを営利目的で所持したほか、大麻を含有するクッキー様固形物やバター様固形物等を所持し、さらに被告人A方でも大麻を含有する植物片約152.13グラムを所持していた。 【争点】 被告人Aが、被告人B方で発見された大麻を含有するクッキー様固形物及びバター様固形物(本件大麻固形物)について、被告人Bと共同して所持したと認められるかが争点となった。被告人Aの弁護人は、(1)本件大麻固形物は第三者が持ち込んだ可能性がある、(2)大麻草の葉を用いてバターやクッキーを作ることについて両名の合意がなく、被告人Aの逮捕後に作成されたものであるから被告人Aは存在すら知らなかった、と主張して共同所持を争った。 【判旨(量刑)】 裁判所は、まず争点(1)について、被告人Bの「自宅で栽培した大麻草の葉から作った」との供述及び同居人Dの「大麻を持ち込んでいない」との証言はいずれも信用でき、本件大麻固形物は被告人B方で栽培された大麻から作られたと認定した。争点(2)については、両名が共同栽培した大麻草の葉から栽培拠点で作られたものである以上、通常は両名の管理が及んでいると判断した。さらに、両名は過去にもバッズの残りかすでバターやクッキーを作った経験があり、葉の取扱いについて詳細な取り決めをしていなかったことから、いずれの部分からも加工品が作られる可能性を認識していたと推認し、被告人Aの逮捕後にBがDらに手伝わせて作成したという事情も、Aの管理を排除するものではないとして、共同所持を認めた。 量刑については、約10か月にわたる業としての大麻栽培であり、栽培拠点を3か所に拡大し体系的に販売を行った悪質な事案であるとした。暴力団等の組織的背景はないものの、量刑傾向の中では中程度の部類に位置付けられるとし、被告人両名の対等な役割分担を踏まえて刑に差を設けるべき事情はないとして、被告人両名をそれぞれ懲役5年及び罰金200万円に処した(求刑:各懲役7年及び罰金200万円)。