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知財

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和1ワ30491
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年6月11日
裁判官
國分隆文小川暁佐々木亮

AI概要

【事案の概要】 原告と被告は平成28年1月に婚姻した夫婦である。被告は大学の助教として学際教育等の研究に従事しており、平成28年10月、国際学会(ACSET)で研究発表を行った。その後、学会主催団体から発表内容をウェブサイトに掲載するための原稿提出を求められたが、英語での執筆が必要で提出期限まで時間がなかったため、英語を母国語とする原告及び友人Cに執筆の協力を依頼した。原告とCはGoogleドキュメント上で共同して原稿(本件著作物)を作成し、被告はこれに若干の修正を加えた論文を学会に提出した。論文は被告の氏名のみを著作者名として表示してウェブサイトに掲載された。その後、原告と被告の夫婦関係が悪化して別居に至り、原告は、本件著作物は原告とCの共同著作物であるにもかかわらず、被告がこれを複製して論文を作成し、原告の氏名を表示せずに公開したことが著作権(複製権)及び著作者人格権(氏名表示権)の侵害に当たるとして、330万円の損害賠償を請求した。 【争点】 本件の主要な争点は、(1)本件著作物の著作者が誰であるか、(2)被告による著作権及び著作者人格権の侵害行為の有無、(3)原告が著作権を放棄し、又は被告による複製の許諾及び氏名不表示の合意をしたか否か、(4)損害の発生及びその額であった。被告は、論文に著作者名として被告の氏名が表示されていることから著作権法14条により被告が著作者と推定されると主張し、仮に原告らが創作に関与したとしても補助者にすぎないと反論した。 【判旨】 裁判所は、まず著作者について、論文に被告の氏名が表示されていることから著作権法14条により被告が著作者と推定されるとしつつも、本件著作物の作成経緯を詳細に検討した。本件骨子はA4サイズ3頁分であったのに対し、本件著作物はA4サイズ14頁分に及び、本文の記載が一致する部分は約1頁の5分の1相当にすぎなかった。原告及びCが創作的な表現を付加して大幅に加筆したことにより、本件骨子の表現上の本質的な特徴の同一性は失われており、被告の思想又は感情が本件著作物に創作的に表現されたとは認められないと判断した。また、被告がGoogleドキュメント上の編集作業を行ったことや、原告らに表現について具体的に指示したことを認める証拠もないとして、著作者の推定は覆滅され、本件著作物は原告及びCの共同著作物であると認定した。 しかし、裁判所は、原告らが被告の論文として学会に提出されウェブサイトに掲載されることを前提として本件著作物を作成したこと、原告と被告が当時円満な夫婦関係にあったこと、本件著作物の冒頭に原告らの氏名が記載されていなかったこと等の事情を総合し、原告及びCは被告に対して本件著作物の複製を許諾し、原告の氏名を著作者名として表示しないことに合意していたと認定した(著作権法65条2項、63条1項、64条1項)。その結果、被告の行為は著作権及び著作者人格権を侵害するものとはいえないとして、原告の請求を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。