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行政

助成金不交付決定処分取消請求事件

判決データ

事件番号
令和1行ウ634
事件名
助成金不交付決定処分取消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年6月21日
裁判官
清水知恵子横輔定昌

AI概要

【事案の概要】 映画製作会社である原告は、漫画「宮本から君へ」を原作とする同名映画を製作し、独立行政法人日本芸術文化振興会(被告)の文化芸術振興費補助金に係る助成金(1000万円)の交付内定を受けた。ところが、本件映画の出演俳優の1人が麻薬及び向精神薬取締法違反により有罪判決(懲役1年6月・執行猶予3年)を受けたことから、被告理事長は「公益性の観点から適当ではない」として助成金の不交付決定(本件処分)をした。原告は本件処分の取消しを求めて提訴した。なお、当該俳優の出演場面は全129分中約11分であり、主要キャストには含まれていなかった。また、再撮影には数千万円の費用がかかり、共演者が役作りのため30kg増量していたこと等から、再撮影は経済的・技術的に極めて困難であった。 【争点】 被告理事長が交付内定を受けた原告に対し、公益性を理由に助成金を交付しないとした本件処分に、裁量権の範囲の逸脱又は濫用があるか。具体的には、(1)処分の根拠とされた公益(薬物乱用防止)の内容、(2)助成金交付により当該公益が害される態様・程度、(3)不交付決定により原告に生じる不利益の内容・程度等を総合考慮し、交付内定審査における芸術的観点からの専門的知見に基づく判断を尊重する要綱の定めや仕組みを踏まえてもなお不交付とする合理的理由があるかが問題となった。 【判旨】 裁判所は、本件処分は裁量権の逸脱・濫用に当たり違法であるとして、原告の請求を認容した。まず、助成金は映画製作主体である原告に交付されるものであり出演者個人に交付されるものではないこと、原告は出演者の犯罪行為とは無関係であること等から、助成金の交付が薬物乱用に寛容であるとの誤ったメッセージを発するおそれは認められないとした。当該俳優は主役でも主要出演者でもなく出演時間も約11分にすぎないため、映画の「顔」として受け止められるとはいえず、製作主体と出演者の利益の混同が生じるおそれも高くないと判断した。被告が提出したアンケート調査結果についても、「メインキャストの1人」という前提が実態と異なること等から、被告の主張を裏付けるものとはいえないとした。他方、不交付決定により原告に生じる不利益は、予算全体に占める助成金の割合が小さくないという経済的側面に加え、再撮影等を強いることは映画表現の重要な要素の選択に関する自主性を損なうという側面においても、小さいものとはいえないとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。