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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和2行ケ10045
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年6月24日

AI概要

【事案の概要】 原告(株式会社ファイブスター)は、被告(株式会社MTG)が保有する「美容器」に関する特許(特許第6121026号)について、特許無効審判を請求した。同特許は、棒状のハンドル本体に凹部を設け、ハンドルカバーで覆う構成のローラ式美容器に関するものである。特許庁は「審判の請求は成り立たない」との審決をしたため、原告がその取消しを求めて知的財産高等裁判所に訴えを提起した。原告は、(1)サポート要件違反(明細書には「直線状の棒状のハンドル本体」かつ「中央部の凹部」しか開示されていないのに、請求項はこれを拡張・一般化している)、(2)明確性要件違反(「凹部」の範囲が不明確である)、(3)分割要件違反(凹部の位置を「中央部」に限定しない請求項は新規事項の追加に当たり、分割要件を欠くため、甲3文献との関係で新規性・進歩性を欠く)の3つの無効理由を主張した。 【争点】 1. サポート要件違反の有無(本件発明が明細書の記載及び出願時の技術常識に照らし、課題を解決できると当業者が認識できる範囲のものか) 2. 明確性要件違反の有無(「凹部」等の記載が明確か) 3. 分割要件違反の有無(凹部の位置を「中央部」に限定しないことが新規事項の追加に当たるか) 【判旨】 裁判所は、原告の請求を棄却した。 争点1(サポート要件)について、裁判所は、本件発明の「棒状のハンドル本体」の「表面から内方に窪んだ凹部」とは、ハンドル本体の一部分が内方に落ち込んで低くなった部分を指すと解され、ハンドルカバーはハンドル本体に比べ相対的に小さい部材であると認定した。その上で、(a)強度の点については、材料力学上、本件発明の構成は一体構造梁に近く、従来の上下・左右分割は半割れ2枚重ね構造に相当するところ、一体構造梁の方が強度に優れることは出願時の技術常識であること、(b)成形精度の点については、接合線が短くなれば成形精度を確保すべき部分も短くなり精度を出しやすいことは当業者が容易に理解できること、(c)組み付け作業性の点については、接合線が短くなれば位置合わせ等の取扱いが楽になることは当業者に十分理解可能であることを認定し、サポート要件に適合すると判断した。 争点2(明確性要件)について、「凹部」や「ハンドルカバー」は請求項の記載からその形状・構造を明確に理解でき、原告の主張はサポート要件の問題であって明確性要件の問題ではないとして退けた。 争点3(分割要件)について、出願当初明細書の「一部(中央部)」との記載は凹部の位置を括弧書きで例示したにすぎず、中央部に限定する趣旨とは解されないから、本件発明において凹部の位置が「中央部」に特定されていなくても新規事項の追加には当たらず、分割要件を満たすと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。