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知財

特許権侵害損害賠償請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和2ネ10044
事件名
特許権侵害損害賠償請求控訴事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年6月28日
原審裁判所
東京地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 一審原告(コスモ石油マーケティング)は、「流体供給装置及び流体供給方法及び記録媒体及びプログラム」に関する特許(特許第4520670号)の共有権者であり、一審被告(コモタ)が製造・販売する給油装置用の設定器(POS21)及びそれに保存された電子マネー決済プログラムが、上記特許の間接侵害(特許法101条1号)に当たるとして、差止め・廃棄及び約28億円の損害賠償(一部請求)を求めた。原審(東京地裁)は、差止め及び約4億5000万円の損害賠償を認容したため、双方が控訴した。本件特許の技術的意義は、セルフ式ガソリンスタンドにおいて、給油開始前にプリペイドカードから一定額を先に引き落とし(先引落し)、給油終了後に差額を精算する(後精算)構成により、給油中にカードを抜き取れるようにし、カードの取り忘れ・盗難等の課題を解決する点にある。一審被告の給油装置は、非接触式ICカード(FeliCa)による電子マネー決済を用いるものであった。 【争点】 主な争点は、(1)被告給油装置が本件発明の技術的範囲に属するか(構成要件充足性)、(2)本件特許が無効審判により無効にされるべきものか(進歩性の有無)である。充足性については、先引落し金額を顧客が指定する構成が構成要件1C1に含まれるか、非接触式ICカードが本件発明の「記憶媒体」に該当するかが争われた。無効論については、一審被告製造の給油装置SF-1000(公然実施発明)や先行公報を主引用例とする進歩性欠如が主張された。 【判旨】 知財高裁は、原判決中の一審被告敗訴部分を取り消し、一審原告の請求を全部棄却した。まず充足性について、(1)構成要件1C1の「先引落し」額は給油代金の担保としての性格を有し、本件明細書の実施例もカード残高全額又は事前設定金額のみを記載しているから、顧客が利用の都度指定する給油予定金額を先引落し額とする被告給油装置の構成は、構成要件1C1を充足しないと判断した。(2)非接触式ICカードは、その性質上常に顧客が保持するものであり、給油装置が「媒体預かり」をする構成を想定できないから、本件発明が解決対象とするカード取り忘れ等の課題(本件3課題)が生じず、本件発明の「記憶媒体」には当たらないと判断した。さらに念のため無効論についても検討し、仮に充足性が認められるとしても、SF-1000の現金決済を電子マネーに置き換えることは容易想到であり、訂正により付加された構成要件も進歩性を基礎付けないとして、本件特許は無効とされるべきであると判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。