知財及び損害賠償請求控訴事件
判決データ
AI概要
【事案の概要】 控訴人(一審原告)は、被控訴人(一審被告・モダンロイヤル株式会社)と共同開発した姿勢保持具「グッドコア」について、(1)覚書に基づくコミッション(売上の3%)を受ける権利の確認、(2)平成31年4月以降のコミッション120万円の支払、(3)著作権法又は不正競争防止法に基づく製造販売の差止め、(4)優越的地位の濫用(コミッション料率の一方的減額通告)及び無断商標登録出願を理由とする不法行為に基づく損害賠償200万円の支払を求めた。原審(東京地裁)は控訴人の請求をいずれも棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 (1) 覚書に基づくコミッション契約が現時点でなお効力を有するか (2) 平成31年4月以降のコミッション請求権の有無 (3) 控訴人が本件商品の著作権者であるか(応用美術の著作物性) (4) 被控訴人の製造販売が形態模倣の不正競争行為に当たるか (5) コミッション料率の一方的減額通告が優越的地位の濫用として不法行為を構成するか (6) 被控訴人の無断商標登録出願が不法行為を構成するか 【判旨】 控訴棄却。原判決を維持し、控訴人の請求をいずれも退けた。 争点(1)(2)について、覚書2条の定めは当然に同一条件で自動更新されるものではなく、平成31年3月末をもって本件契約は終了したと認定し、コミッション請求権を否定した。 争点(3)について、実用品の著作物性に関し、「実用的な機能と分離して把握することができる、美術鑑賞の対象となる美的特性」を備える場合にのみ著作物性が認められるとの判断枠組みを示した上で、本件商品のX字形の形状は幅広い体型へのフィット目的で採用され、6個の突起部分もエクササイズ補助の機能から設定されたものであって、実用的機能と分離した美的特性を備えているとは認められないとした。控訴人の企画書にも実用性の訴求が記載されていることを指摘し、独創性を最重視したとの控訴人の主張を排斥した。 争点(5)について、被控訴人が提示した1.5%のコミッション料率が客観的に著しく低いとはいえず、控訴人が援用する特許庁報告書の料率は特許権等を対象としたもので本件とは異なるとして、優越的地位の濫用を否定した。 争点(6)について、商標法上、商標の考案者に何らかの権利が認められるものではなく、被控訴人の商標登録出願を違法とする事由はないとした。