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下級裁

「黒い雨」被爆者健康手帳交付請求等控訴事件

判決データ

事件番号
令和2行コ10
事件名
「黒い雨」被爆者健康手帳交付請求等控訴事件
裁判所
広島高等裁判所
裁判年月日
2021年7月14日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
西井和徒絹川泰毅澤井真一
原審裁判所
広島地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 昭和20年8月6日の広島原爆投下後に降った「黒い雨」に遭ったと主張する84名の申請者らが、広島市長又は広島県知事に対し、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(被爆者援護法)1条3号の「原子爆弾が投下された際又はその後において、身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった者」に該当するとして、被爆者健康手帳の交付申請をしたところ、いずれも却下処分を受けたため、主位的に同処分の取消し及び手帳交付の義務付けを求めた事案である。原審(広島地裁)が申請者ら全員の主位的請求を認容したため、広島市・広島県及び参加行政庁(厚生労働大臣)が控訴した。本件は、政府が従来「大雨地域」に限定してきた健康診断特例区域の範囲を超えて、いわゆる「小雨地域」を含む広範な黒い雨降雨域の住民に被爆者としての法的地位を認めるかが問われた、社会的にも大きな注目を集めた訴訟である。 【争点】 主要な争点は、(1)被爆者援護法1条3号の「身体に原子爆弾の放射能の影響を受けるような事情の下にあった者」の意義、(2)広島原爆投下後の黒い雨に遭った者が同号に該当するか、(3)本件申請者らが実際に黒い雨に遭ったか、(4)申請者死亡後の訴訟承継の可否であった。控訴人らは、同号該当性には放射線の具体的な曝露態様が晩発的健康被害を招来する程度に有意であったことの科学的根拠に基づく立証が必要であると主張し、黒い雨による被曝線量は極めて低く健康影響を及ぼさないと主張した。 【判旨】 広島高裁は、控訴をいずれも棄却し、原判決を維持した。まず、被爆者援護法1条3号の意義について、同号は「原爆の放射能により健康被害が生ずる可能性がある事情の下に置かれていた者」、すなわち「原爆の放射能により健康被害が生ずることを否定することができない事情の下に置かれていた者」と解すべきであるとし、控訴人らが主張する「有意な放射線曝露」の立証を要求する解釈を排斥した。次に、黒い雨降雨域について、従来の宇田雨域のみならず増田雨域及び大瀧雨域も含まれるとし、実際の降雨域は宇田雨域より広範であったと認定した。そして、黒い雨には放射性降下物が含まれていた可能性があり、たとえ黒い雨に直接打たれていなくても、放射性微粒子の吸引や汚染された飲料水・野菜の摂取により内部被曝による健康被害を受ける可能性があったと認め、黒い雨に遭った者は同号に該当すると判断した。本件申請者ら全員について黒い雨に遭った事実を認定し、被爆者健康手帳の各交付申請却下処分を違法として取り消すとともに、手帳交付を義務付けた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。