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知財

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和3ワ4491
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年7月16日

AI概要

【事案の概要】 原告は弁護士であり、別件の名誉毀損訴訟(別件訴訟)において原告側の訴訟代理人を務めていた。被告は、恋愛や就職活動に関する書籍の執筆やインターネットでの情報発信を行う者であり、別件訴訟の被告の一人でもあった。被告は、別件訴訟の第1回口頭弁論期日(令和2年12月15日)の約3か月前である令和2年9月24日、原告に無断で、原告が作成した別件訴訟の訴状のデータファイルを自らのブログ記事内にリンクを張る形でインターネット上に公表した。ブログ記事には、訴状を受領したことへの遺憾の意や、訴訟に至る経緯についての被告側の見解が記載されていた。なお、被告はリンク先の訴状データについて、被告自身の氏名や他の被告に関する部分をマスキングした上で公開していた。 本件は、原告が、被告の上記行為は別件訴状に係る原告の著作権(公衆送信権)及び著作者人格権(公表権)を侵害するものであるとして、慰謝料合計30万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。 【争点】 主な争点は、(1)別件訴状に係る著作権(公衆送信権)及び著作者人格権(公表権)侵害の成否、(2)著作権法40条1項(政治上の演説等の利用)の裁判手続における公開の陳述に関する規定の類推適用又は準用の可否、(3)著作権法41条(時事の事件の報道のための利用)の適用の有無、(4)別件訴状の公表に関する原告の黙示の同意の有無、(5)損害の有無及び額であった。被告は、訴状は公開の陳述を前提に作成される書面であるから著作権法40条1項が類推適用されるべきであること、また自らのブログでの公表は時事の事件の報道に該当することなどを主張して争った。 【判旨】 裁判所は、まず著作権侵害の成否について、被告が別件訴状を複製してアップロードし、ブログ記事にリンクを張った行為は、公衆送信権及び公表権の侵害を構成すると認定した。裁判の公開の原則や訴訟記録の閲覧制限手続の存在は、この結論を左右しないとした。 著作権法40条1項の類推適用については、同項が自由利用を認めるのは「公開の陳述」であり、未陳述の訴状には適用されないと判断した。訴状が陳述を前提に作成されるものであっても、裁判の公開の要請を実質的に担保するという同項の趣旨に照らせば、公開の法廷で陳述されていない訴状の自由利用を認める理由はないとした。また、事後的に訴状が陳述されても、侵害行為が遡及的に治癒されるものではないとした。 著作権法41条の適用については、ブログ記事の内容は紛争相手から提訴されたことへの遺憾の意や訴状内容の不当性を訴えるものであり、時事の事件として客観的かつ正確に伝えようとするものとは解されないとして、「時事の事件を報道する場合」には該当しないと判断した。原告の黙示の同意も否定した。 損害については、公衆送信権侵害は財産権の侵害であり、慰謝料を認めるべき特段の事情はないとした上で、公表権侵害による慰謝料として、訴状が公開の陳述を前提とする書面であること、公表から陳述までの期間が約3か月にとどまること等の事情を考慮し、2万円を認容した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。