AI概要
【事案の概要】 原告(株式会社美少女図鑑)が、被告(株式会社エムアップホールディングス)の保有する商標「美少女図鑑」(標準文字、商標登録第5360897号)について、商標法50条1項に基づく不使用取消審判を請求した事案の審決取消訴訟である。本件商標の指定商品・役務は、第9類(画像ファイル、電子応用機械器具等)、第35類(画像ファイルの小売等の便益提供)、第41類(通信回線を利用した画像の提供等)であった。 特許庁は、被告から本件商標の通常使用権を許諾された株式会社Fanplus(ファンプラス社)が、月額制デジタル書籍閲覧サービス「月刊デジタルファクトリー」のウェブページにおいて、要証期間(審判請求登録前3年以内)に「美少女図鑑」の使用商標を表示して「通信回線を利用した画像の提供」を行っていたと認定し、審判請求は成り立たないとの審決をした。原告はこの審決の取消しを求めて知的財産高等裁判所に出訴した。 【争点】 被告又はその通常使用権者であるファンプラス社が、要証期間内に本件商標を指定役務について使用していた事実が認められるか。具体的には、本件サービスのウェブサイト上に「美少女図鑑」の文字が表示されたバナー及びその画像が要証期間内に掲載されていたかが争われた。 【判旨】 知財高裁は、審決を取り消した。裁判所は、被告が提出した証拠について以下のとおり判断した。まず、本件トップページ及びウェブページを印刷した書証(甲15・17)は、いずれも要証期間経過後の審判請求後に印刷されたものであり、要証期間内にバナーが表示されていたことを直ちに認めることはできないとした。また、バナーのアップロード時のログ等の電子記録も提出されておらず、平成28年頃にバナーがアップロードされたことを客観的に裏付ける証拠は存在しないとした。 さらに、ウェブサイト制作会社代表者の陳述書(乙3)及び被告の元担当者の陳述書(乙8)については、バナーのアップロード時期が「およそ5、6年前」と曖昧であること、先に作成された証明書(甲20)の記載内容と齟齬すること、バナー背景の写真が陳述書で言及された電子写真集の写真と異なる構図であること等を指摘し、いずれも措信できないとした。以上から、被告又はファンプラス社が要証期間内に本件使用商標を使用した事実は認められず、本件商標の登録は商標法50条により取り消されるべきであると判断した。