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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和2行ケ10053
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年7月20日
裁判官
菅野雅之本吉弘行岡山忠広

AI概要

【事案の概要】 本件は、「二酸化炭素経皮・経粘膜吸収用組成物」に関する特許(特許第5643872号)についての特許無効審判の不成立審決に対し、原告(ネオケミア株式会社)がその取消しを求めた事案である。被告(メディオン・リサーチ・ラボラトリーズ)が保有する本件特許は、水及び増粘剤を含む粘性組成物と、炭酸塩及び酸を含む複合顆粒剤等とを混合して気泡状の二酸化炭素を含有するパック化粧料を得るためのキットに関するものであった。原告は、褥瘡治療のために入浴剤バブを湯に溶かして利用する技術(甲1発明)に周知技術を適用すれば、当業者が本件発明を容易に想到できたとして進歩性の欠如を主張した。なお、本件特許権の存続期間は令和元年5月に満了しており、原告も令和2年12月に破産手続開始決定を受けていたため、被告は訴えの利益の消滅を主張したが、裁判所は本案について容易に判断可能であるとして、本案前の主張の判断を留保した。 【争点】 主たる争点は、本件発明1ないし4の進歩性の有無である。具体的には、甲1発明(入浴剤バブを湯に溶かして褥瘡を治療する技術)を主引用例とし、増粘剤で気泡状の二酸化炭素を保持する周知技術を組み合わせることにより、本件発明を当業者が容易に想到できたか否かが争われた。相違点1として、本件発明が増粘剤1〜15質量%を含む気泡状二酸化炭素含有パック化粧料であるのに対し、甲1発明はバブを湯に溶かした褥瘡治療用組成物である点、相違点2として、キットの具体的構成が異なる点が問題となった。 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。裁判所は、相違点1の容易想到性について次のとおり判断した。甲1には「バブ片が完全に溶けるまで待つ」と明記されており、褥瘡治療の前に発泡は終了している。甲1発明では、湯に溶存している二酸化炭素を経皮吸収させて血行促進を図るものであり、気泡状の二酸化炭素を保持・利用するものではない。したがって、甲1発明に接した当業者が「気泡状の二酸化炭素を持続的に保持する」という課題を認識するとは認められない。原告は当該課題が自明であると主張したが、容易想到性の判断においては甲1発明に接する当業者が認識し得る課題を基準とすべきであり、主張は失当である。また、原告が周知技術と主張する文献を精査しても、甲1発明と共通する技術分野で増粘剤の粘性によって気泡状二酸化炭素を保持する技術が周知であるとはいえない。以上から、相違点1に係る構成を当業者が容易に想到できたとはいえず、本件審決の判断に誤りはないとして、原告の取消事由をいずれも排斥した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。