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下級裁

死体遺棄

判決データ

事件番号
令和2わ455
事件名
死体遺棄
裁判所
熊本地方裁判所
裁判年月日
2021年7月20日
裁判官
杉原崇夫

AI概要

【事案の概要】 技能実習生として来日していたベトナム人の被告人が、妊娠・出産を周囲に告白できないまま、令和2年11月15日頃、熊本県内の自宅で死産したえい児2名の死体を段ボール箱に入れ、自室に1日以上置き続けて遺棄したとして、死体遺棄罪に問われた事案である。被告人は収入の多くをベトナムの家族に送金しており、妊娠すれば仕事ができなくなって収入を失い、家賃や生活費が払えず帰国に追い込まれるという厳しい立場にあった。被告人は帰国を恐れて妊娠を隠し続け、中絶を試みたが失敗し、出産に至った。被告人はえい児にタオルを巻いて名前をつけるなど愛情を示しつつも、死産の事実を誰にも伝えず、回復後に自分で埋葬しようと考えていた。 【争点】 第1の争点は、被告人がえい児を段ボール箱に入れて自室に保管した行為が刑法190条の「遺棄」に該当するかである。弁護人は、被告人には埋葬の意思があったと主張した。第2の争点は、死体遺棄の故意の有無である。弁護人は、被告人は産婦人科でも行われる方法でえい児を段ボール箱に入れ、ベトナムで一般的な土葬で埋葬するつもりだったから故意がないと主張した。また、墓地埋葬法の24時間埋葬禁止規定を根拠に遺棄に当たらないとも主張した。第3の争点は、被告人に葬祭義務を履行する期待可能性があったかである。弁護人は、一人で出産し肉体的に疲弊し精神的にもショックを受けていた被告人には期待可能性がなかったと主張した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、刑法190条の遺棄とは国民の一般的な宗教的感情を害する態様で死体を隠したり放置したりすることであるとした上で、被告人の行為は死産を隠したまま私的に埋葬するための準備であり、正常な埋葬のための準備ではないから、たとえ埋葬の意思があっても遺棄に該当すると判断した。故意についても、分別のある青年である被告人は、私的な埋葬準備が宗教的感情を害することを容易に認識できたとして故意を認定した。期待可能性についても、少なくとも周囲に出産・死産を告白して助力を求めることはできたとして、期待可能性を肯定した。もっとも、量刑においては、技能実習生を取り巻く厳しい環境や十分なサポート制度がないことに触れ、被告人が追い込まれた経緯には同情の余地が十分にあるとし、遺棄の態様もていねいに箱に入れて自室で保管したもので程度が大きくないとして、懲役8月・執行猶予3年を言い渡した(求刑懲役1年)。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。