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行政

所得税更正処分等取消請求事件

判決データ

事件番号
平成29行ウ426
事件名
所得税更正処分等取消請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年7月20日
裁判官
清水知恵子横地大輔定森俊昌有の定め者特

AI概要

【事案の概要】 原告は、日本国内に居住する者であり、香港に設立された外国法人A1社の株式約14.66%を保有し、同社の最高執行責任者(COO)を務めていた。A1社は、ケーブル等の製造販売を行う企業グループの最終親会社として、日本の事業会社(新A10社)の全株式、香港の卸売会社(A2社)の株式約94%等を保有していた。もともとA10グループは国内でケーブル等の製造販売を営んでいたが、アジア太平洋地域への進出と香港証券取引所での上場を目指し、2010年に香港でA1社を設立して組織再編を行い、グループ各社をその傘下に置いた。 原告は、平成24年分・平成25年分の所得税の確定申告に当たり、A1社及びA2社がいわゆるタックス・ヘイブン対策税制(租税特別措置法40条の4)の適用対象となる特定外国子会社等に該当しないことを前提に申告した。これに対し、西宮税務署長は、両社が特定外国子会社等に該当するとして、その課税対象金額を原告の雑所得に算入する更正処分及び過少申告加算税の賦課決定処分を行った。原告は異議申立て・審査請求を経てこれらの処分の取消しを求めて提訴した。 【争点】 (1)A1社及びA2社が特定外国子会社等に該当するか。原告は、タックス・ヘイブン対策税制の適用には形式的な株式保有割合の充足だけでは足りず、居住者等による実質的支配や租税回避の意図が必要であると主張した。 (2)確定申告書に適用除外記載書面を添付しなかったことにより、適用除外規定の適用が排除されるか。原告は、特定外国子会社等に該当しないと判断したために書面を添付しなかった場合まで排除されるのは不当であると主張した。 (3)仮に適用除外規定が適用されるとした場合、A1社が事業基準(主たる事業が株式保有業以外であること)を満たすか。原告は、A1社の主たる事業はグループ各社への管理サービス業であると主張した。 【判旨】 裁判所は、原告の請求をいずれも棄却した。 争点(1)について、A1社の発行済株式総数のうち居住者等の保有割合が57.12%で50%を超えており外国関係会社に該当すること、所得に対する租税負担割合が16.1%・16.2%で20%以下であることから、特定外国子会社等に該当すると判断した。原告の主張する実質的支配や租税回避意図の要件については、措置法40条の4は1項及び3項の各要件に係る判断を通じて目的を実現する構造であり、明文にない要件を加える解釈はできないとして退けた。 争点(2)について、適用除外記載書面の不添付により適用除外規定は適用されないと判断した。原告が特定外国子会社等に該当しないと考えたのは独自の法解釈に基づくものにすぎず、保有割合等から該当性は容易に判断できたとした。 争点(3)について、裁判所は事案に鑑み付加的に検討した。A1社の管理契約に基づく管理料は、具体的な費用見積りや貢献度評価ではなく、人件費を子会社の財務状況に応じて負担させる趣旨で定められたものと認定した。2011事業年度については、原告が主張する不動在庫解消業務は管理契約締結前に行われたものであり、管理業務の実態は認められないとした。2012事業年度については、与信管理業務等の一部は認められたものの、客観的に対価性のある業務は限定的であり、総資産に占める保有株式の割合が95.5%に達することも踏まえ、主たる事業は株式保有業であると認定し、事業基準を満たさないと結論付けた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。