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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
平成31ワ399
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
広島地方裁判所
裁判年月日
2021年7月28日
裁判種別・結果
棄却

AI概要

【事案の概要】 本件は、6歳未満の男児(E)の脳死後に臓器提供を承諾した両親(原告ら)が、Eから提供された肺を用いた移植手術をTBSテレビが取材・放送したことにより、故人に対する敬愛・追慕の情及びプライバシー権を侵害されたとして、損害賠償を求めた事案である。 平成29年5月、Eは脳死とされうる状態と判断され、原告らは臓器提供を承諾した。日本臓器移植ネットワーク(被告JOT)が記者会見で臓器提供の概要を公表した後、岡山大学病院の被告D医師が執刀し、当時国内最年少(1歳)のレシピエントへの肺移植手術が実施された。TBSテレビは制作会社を通じて被告Dへの密着取材を行い、同年7月に全国放送の特集番組「スーパードクターズ」で本件移植手術を放送した。番組内では、Eの肺の映像がモザイク処理なく放送されたほか、被告Dが「目論見どおりの肺だ」「小さいなあ」「羽が生えているんじゃないかというくらい、いい肺でした」等と発言する場面や、レシピエントの母親が書いたサンクスレターの一部が映された。原告らは事前に番組の存在を知らされておらず、知人からの電話で放送を知って視聴し、激しい精神的苦痛を受けた。原告らは、TBSテレビ・番組編成担当者・執刀医・岡山大学に対し不法行為に基づく連帯損害賠償(各750万円)を、JOTに対し準委任契約上の善管注意義務違反による損害賠償(各150万円)を請求した。 【争点】 1. 番組の放送により原告らの故人に対する敬愛・追慕の情及びプライバシー権が違法に侵害されたか 2. TBSテレビ側と岡山大学側との間に共同不法行為が成立するか 3. 原告らとJOTとの間に黙示の準委任契約が成立するか、またJOTに善管注意義務違反があるか 【判旨】 裁判所は、原告らの請求をいずれも棄却した。 敬愛・追慕の情の侵害について、裁判所は、故人に対する遺族の敬愛・追慕の情は人格的利益として保護されるべきものとしつつ、テレビ放送の自由との関係を考慮し、故人の尊厳を侵害するような態様で臓器をみだりに公開するなどした場合に、放送行為の目的・内容、遺族が受けた影響等を総合考慮して受忍限度を超えるときに初めて不法行為の問題が生じるとの判断枠組みを示した。その上で、本件番組は臓器移植制度や最先端医療の実態を伝える正当な目的を有し、国内最年少のレシピエントへの肺移植という社会的意義の高い事例を扱ったものであること、臓器の映像をモザイクなく放送することには手術の実相を伝える相応の社会的意義があること、被告Dの各発言も生前のEに対する冒涜や物扱いの趣旨とは認められないことなどから、社会通念に照らし受忍限度を超えるとまではいえないと判断した。 プライバシー権侵害については、番組内で公開されたドナー情報はJOTの記者会見で原告らの了承の下に公開された情報に限られ、番組からドナーが原告らの子であると特定することはできないとして、侵害を否定した。 以上により、権利侵害が認められない以上、共同不法行為やJOTの債務不履行を検討するまでもなく、原告らの請求はいずれも理由がないとして棄却された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。