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最高裁

覚醒剤取締法違反,大麻取締法違反,医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律違反被告事件

判決データ

事件番号
令和2あ1763
事件名
覚醒剤取締法違反,大麻取締法違反,医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律違反被告事件
裁判所
最高裁判所第三小法廷
裁判年月日
2021年7月30日
裁判種別・結果
判決・破棄差戻
裁判官
林道晴戸倉三郎宮崎裕子宇賀克也長嶺安政
原審裁判所
東京高等裁判所

AI概要

【事案の概要】 被告人は、覚醒剤取締法違反(自己使用・所持)、大麻取締法違反、医薬品医療機器等法違反で起訴された。事件の経緯は次のとおりである。平成30年3月30日午後4時41分頃、警察官が職務質問のため被告人の運転する自動車を停止させた。警察官は、運転席ドアポケットにチャック付きビニール袋の束(本件ビニール袋)があると被告人に告げた。被告人には覚醒剤取締法違反の犯罪歴が多数あることが判明し、被告人が任意の採尿や所持品検査に応じなかったため、警察官は令状請求の準備に取り掛かった。警察官は、本件ビニール袋を確認した旨の疎明資料を作成して捜索差押許可状及び強制採尿令状を請求し、同日午後11時4分頃に各令状の発付を受けた。その間約6時間半にわたり、警察官は被告人を現場に留め置き、被告人が帰りたいと述べて立ち去ろうとしても身体に接触するなどして制止した。令状に基づく捜索差押えにより覚醒剤等の薬物が発見され、被告人は現行犯逮捕された。第1審裁判所は、本件ビニール袋がもともと車両内になかった疑いが払拭できないとして、警察官が虚偽の疎明資料を作成して令状を請求した事実を認定し、証拠収集手続に重大な違法があるとして証拠能力を否定し、無罪とした。控訴審の東京高裁は、ビニール袋が車両内になかった疑いは残るがそれほど濃厚ではないとして、第1審判決を破棄し差し戻した。 【争点】 警察官が虚偽の疎明資料を作成して令状を請求した疑いがある場合に、その事実の存否を確定せずに証拠能力を判断することが許されるか。具体的には、違法収集証拠排除法則の適用において、違法の重大性を基礎づける事実について「疑いの程度」を考慮する手法が許容されるかが問われた。 【判旨(量刑)】 最高裁は、原判決を破棄し、東京高裁に差し戻した。証拠能力の判断枠組みとして、証拠収集手続に令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが将来における違法捜査の抑制の見地から相当でないと認められる場合には証拠能力が否定されるとの判例(昭和53年最高裁判決)を確認した上で、本件では証拠能力を判断するために、警察官が虚偽の疎明資料を作成して令状請求をした事実(本件事実)の存否を確定し、これを前提に重大な違法があるかどうかを判断する必要があると判示した。原判決は、本件事実について存否を確定せず、疑いの程度がそれほど濃厚ではないと述べるにとどまっており、本件事実の重要性に鑑みると法令の解釈適用に誤りがあるとした。裁判官全員一致の意見である。 【補足意見】 戸倉三郎裁判官は、収集手続の違法の重大性を基礎づける事実の存否に争いがある場合、検察官がその不存在の立証責任を負い、立証に失敗すれば当該事実があったものとして判断すべきであると指摘した。原判決のように疑いの程度を考慮する手法では、立証命題が不明確となり審理が不安定になるほか、実質的に検察官が立証に成功したのと同じ効果をもたらし立証責任の原則に反すると批判した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。