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知財

特許権侵害差止請求事件

判決データ

事件番号
平成30ワ28929
事件名
特許権侵害差止請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年8月10日

AI概要

【事案の概要】 本件は、発明の名称を「レーザ加工装置」とする2件の特許(特許第3935188号及び特許第3990711号)の特許権者である原告(浜松ホトニクス株式会社)が、被告(東京精密株式会社)に対し、被告が製造・販売するレーザダイシングマシン(ML300シリーズ及びML200シリーズ)が上記各特許に係る発明の技術的範囲に属し、その製造・譲渡・輸出等が特許権侵害に当たるとして、特許法100条1項に基づく差止め及び同条2項に基づく被告製品の廃棄を求めた事案である。 原告の特許は、シリコンウェハ等の加工対象物の内部にパルスレーザ光を集光し、切断の起点となる「改質領域」を形成するレーザ加工装置に関するものである。従来のレーザ加工では表面から加熱溶融させて切断していたため表面の損傷が問題となっていたが、原告の発明は加工対象物の内部に改質領域を形成して切断の起点とすることで、表面を損傷させずに精密切断を可能にする技術である。半導体チップの製造工程において、ウェハを個々のチップに分割するダイシング工程で利用される重要な基本特許であった。 【争点】 本件の主な争点は、(1)被告製品が本件各発明の技術的範囲に属するか(構成要件の充足性)、(2)本件各特許についての無効の抗弁(進歩性欠如、明確性要件違反、サポート要件違反、実施可能要件違反、分割要件違反等、合計21の無効理由)の成否、(3)原告による実施許諾の有無、(4)差止請求及び廃棄請求の当否であった。 特に技術的範囲の属否に関しては、本件発明の「改質領域」ないし「改質スポット」が多光子吸収によって形成されるものに限定されるか否かが中心的に争われた。被告は、被告製品のレーザ加工領域は単光子吸収による溶融によって形成されるものであり、多光子吸収によるものではないから構成要件を充足しないと主張した。 【判旨】 裁判所は、原告の請求をいずれも認容した。 構成要件の充足性について、裁判所は、本件発明の「改質領域」は、特許請求の範囲の文言及び明細書の記載に照らし、多光子吸収が支配的に寄与して形成されるものに限定されないと判断した。被告製品によって形成されるレーザ加工領域は溶融処理領域に該当し、「改質領域」に当たるとして、被告製品は本件各発明(発明1-1、1-2、2-1、2-2のすべて)の技術的範囲に属すると認定した。 無効の抗弁については、被告が主張した7件の公知文献を主引用例とする進歩性欠如、明確性要件違反、サポート要件違反、実施可能要件違反及び分割要件違反の各無効理由について、いずれも理由がないと判断した。 また、被告が主張した実施許諾契約の成立についても、原告と被告の業務提携に関する経緯を検討した上で、実施許諾契約の成立は認められないとした。 以上の判断に基づき、裁判所は被告製品の製造・使用・譲渡・輸出等の差止め及び廃棄を命じ、差止めについては仮執行宣言を付した(担保額2億5000万円による仮執行免脱あり)。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。