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下級裁

強制執行妨害目的財産損壊等,非現住建造物等放火

判決データ

事件番号
令和2わ238
事件名
強制執行妨害目的財産損壊等,非現住建造物等放火
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2021年8月17日
裁判官
村瀬賢裕鈴木真耶村瀬賢裕

AI概要

【事案の概要】 被告人両名(夫婦)は、夫である被告人Aが所有し居住していた愛知県刈谷市の家屋について、担保不動産競売を妨害する目的で共謀の上、令和元年1月31日午前1時50分頃、同家屋1階和室において放火し、家屋を焼損させたとして、強制執行妨害目的財産損壊等及び非現住建造物等放火の罪で起訴された。被告人Aは平成15年に本件土地を購入して家屋を新築した際、金庫や公庫から合計3000万円を借り入れて抵当権を設定していたが、返済が滞り、平成30年12月に債権者らから担保不動産競売の申立てがなされ、競売開始決定がなされていた。本件火災発生当日の午前10時からは裁判所執行官による現況調査が予定されており、その通知書が被告人A方に送付されていた。火災発生の直前、被告人両名と次女は大量の荷物や貴重品を持ち出して本件家屋を出発し、外出していた長女と合流していた。 【争点】 本件では、(1)本件火災が放火によるものか(事件性)、(2)放火は被告人両名によるものか(犯人性・共謀)、(3)不動産競売を妨害する目的があったか(目的)の3点が争点となった。裁判所は、(1)の事件性は認めたものの、(2)の共謀の認定ができないとして、被告人両名にいずれも無罪を言い渡した。 【判旨(量刑)】 裁判所は、まず事件性について、消防士や火災研究所研究員の証言に基づき、出火箇所は1階東側和室南西のたんす天板上付近と認定した。弁護側が主張したたばこの不始末、電気関係、自然発火、神棚のろうそくの火の不始末といった出火原因をいずれも排斥し、本件火災は放火によるものと認定した。 次に犯人性について、出火時刻(午前1時50分頃から午前2時頃)における家屋の施錠状況や鍵の所持者等から、本件放火の実行行為者は被告人両名のうち少なくともいずれか1名であると認定した。次女と長女については、LINEのやり取り等から犯人ではないと認められ、第三者の侵入も施錠状況から否定された。 しかし、共謀の認定については、検察官が主張した(1)夫婦関係が良好であったこと、(2)未明の火災にもかかわらず全員無事に避難していたこと、(3)被告人Bが火災発生4日前に住宅火災に関するインターネット記事を閲覧していたこと、(4)火災発生を見越した行動をとっていたこと等の事情について、いずれも推認力が強いとはいえないと判断した。すなわち、良好な夫婦でも一方が単独で犯行に及ぶことはあり得ること、一方のみが放火を計画しても家族全員が無事に避難することは可能であること、インターネット閲覧は被告人Aが被告人Bのスマートフォンを使用していた可能性や興味本位の閲覧の可能性があること、荷物の持ち出しも現況調査への誤解に基づく「夜逃げ」的行動の可能性があることを指摘した。被告人両名が出火原因等について虚偽供述をしている点も、犯人と疑われている以上虚偽弁解をすることはあり得るし、夫婦として相被告人をかばう動機もあるとして、共謀の推認には結びつかないとした。結局、被告人両名のうちいずれか一方のみが他方と共謀することなく放火に及んだという合理的な疑いが残るとして、被告人両名にいずれも無罪を言い渡した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。