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知財

(事件名なし)

判決データ

事件番号
平成31ワ647
事件名
(事件名なし)
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年8月26日
裁判官
田中孝一小口五大鈴木美智子

AI概要

【事案の概要】 本件は、米国アップル社の日本子会社であるApple Japan合同会社(原告)が、韓国の情報通信関連企業であるファーストフェイスカンパニーリミテッド(被告)に対し、iPhoneシリーズ(iPhone 6s、7、8、X、XS、11等の計12製品)の輸入・販売が、被告の保有する2件の特許権(特許第6353363号及び特許第6386646号)を侵害しないとして、不法行為に基づく損害賠償請求権が存在しないことの確認を求めた事案である。被告の特許は、スマートフォン等の移動通信端末機において、スリープ状態(非活性状態)から画面オン状態(活性状態)への切替え時に、追加操作なしに指紋認識や顔認識による使用者識別機能を実行する技術に関するものである。 【争点】 主な争点は、(1)原告製品が被告特許の技術的範囲に属するか(構成要件の充足性)、(2)被告特許は進歩性欠如を理由に無効とされるべきか、(3)被告による特許請求の範囲の訂正により無効理由が解消されるか、の3点であった。構成要件の充足性については、iPhone 7以前の感圧式ホームボタンが特許の「活性化ボタン」に該当するか、ホームボタンの操作により指紋認識が実行されるといえるか、Face ID搭載モデルにおけるサイドボタン操作により顔認識が実行されるといえるか等が争われた。進歩性については、本件特許の優先日前に公然実施されていたiOS 4.2又は4.3搭載のiPhone 4(公然実施発明)と、指紋センサをホームボタンに内蔵してシームレスに認証する技術を開示した公知文献(甲5文献)との組合せにより、当業者が容易に想到し得たかが争われた。 【判旨】 裁判所は、まず構成要件の充足性について、原告製品1〜4の感圧式ホームボタンは物理的にへこむものではないが、特許明細書に「活性化ボタン」について物理的変位を必須とする記載はなく、ユーザガイドでも「ホームボタンを押します」と説明されていることから、「活性化ボタン」に該当すると判断した。また、ホームボタンを指で押す操作により指紋認識が実行される構成は、サイドボタン等の別の操作でもスリープ解除可能であることによって否定されないとし、Face ID搭載モデルについても、端末に顔を向けることは通常の使用態様であり「追加の操作」には当たらないとして、いずれも構成要件を充足すると認定した。 しかし、進歩性の判断において、公然実施発明(iPhone 4)は、ホームボタン押下によりスリープ解除後、スライダドラッグとパスコード入力でユーザ認証を行うものであるところ、スライダのドラッグは誤作動防止の意義を持つパスコード認証とは可分な別個の構成であり、パスコード認証とデバイス機能を有効にする際のシームレスな生体認証を開示する甲5文献とは、ユーザ識別のための認証動作という作用機能が共通するとして、両者を組み合わせる動機付けを認めた。その上で、公然実施発明に甲5文献の指紋認証技術を組み合わせることにより、被告特許の各発明は当業者が容易に想到し得たと判断し、被告による訂正請求(ロック画面表示の限定、現在時刻表示の追加等)によっても無効理由は解消されないとした。 以上から、原告の請求をいずれも認容し、被告の損害賠償請求権は存在しないことを確認した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。