AI概要
【事案の概要】 美容室の広告サイト向けにヘアースタイル写真のレンタルサービスを提供する原告が、同サービスのユーザー登録をした被告に対し損害賠償等を求めた事案である。原告は「Hot-style」というレンタル・販売サイトを運営し、登録ユーザーに対して原告が著作権を有するヘアースタイル写真のデータを提供していた。利用規約では、1店舗につき1ユーザーとして登録し、店舗が異なる場合は店舗ごとに利用料金・登録費用を支払うものとされていた。 被告は令和元年9月、美容室「A」の代表者として月額2万円のキャンペーン価格でユーザー登録をしたが、自動口座振替の手続に必要な依頼書を送付しなかった。さらに、被告はログイン用ID等を他のスタッフと共有し、登録店舗であるAだけでなく、系列店のB、C、Dの計4店舗の広告サイトに写真を掲載した。原告は被告の規約違反を理由に令和元年12月27日に契約を解除したが、被告は解除後も各店舗の広告サイトに写真を掲載し続けた。 【争点】 第一の争点は、著作権侵害の成否等である。被告は、自身は各店舗の経営者でも広告サイトの契約者でもなく、ID等を共有した結果、誰がどの写真を掲載したか不明であると主張した。また、月額2万円で全店舗分の掲載が可能とのキャンペーンプランの提示を受けて契約したため、契約解除前の掲載は不法行為を構成しないと主張した。第二の争点は損害額であり、被告は損害が生じるとしても月額2万円にとどまると争った。 【判旨】 裁判所は、原告の請求をすべて認容した。第一の争点について、被告は契約当事者としてログイン用ID等を保管・管理すべき義務を負っており、実際に写真を掲載したのがスタッフであったとしても、被告がID等を開示し著作物へのアクセスを可能にした以上、著作権侵害の責任を免れないと判断した。全店舗で掲載可能とのキャンペーンプランを受けたとの被告の主張についても、利用規約に1店舗1ユーザーの規定がある上、契約締結時のやり取りにも複数店舗の掲載を前提とする記載はないとして退けた。第二の争点について、利用規約上の利用料月額3万円を損害算定の基礎とし、各店舗の無断掲載期間に応じた利用料相当損害金と登録手数料相当損害金の合計196万円を認めた。さらに、口頭弁論終結時においてもBの広告サイトに写真が掲載されていることから、写真の削除と、削除完了までの月額3万円の損害金の支払を命じた。