都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3141 件の口コミ
知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和2行ケ10044
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年8月30日
裁判官
大鷹一郎小林康彦小川卓逸

AI概要

【事案の概要】 原告(米国の栄養科学企業)は、「脂質含有組成物およびその使用方法」に関する特許出願について拒絶査定を受け、拒絶査定不服審判を請求したが、特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない。」との審決(本件審決)をした。本件審決は、本願発明(異なる供給源に由来する脂質の混合物を含む脂質含有配合物であって、omega-6対omega-3の比が4:1以上であり、omega-6脂肪酸の用量が40g以下であるもの)は、特開平3-53869号公報(刊行物5)に記載された発明と同一であるか、又は刊行物5発明及び技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとして、特許法29条1項3号又は同条2項の規定により特許を受けることができないとした。原告はこれを不服として審決取消訴訟を提起した。なお、本件は前訴判決(明確性要件・サポート要件の判断の誤りを理由に第1次審決を取り消す判決)の確定後、再開した審判手続でなされた審決に対するものである。 【争点】 1. 刊行物5を主引用例とする本願発明の新規性及び進歩性の判断の誤り(一致点の認定の誤り・相違点の看過、相違点2の判断の誤り) 2. 手続違背(本件審決と本件拒絶理由通知とで引用発明の認定及び論理構成が異なるのに、新たな拒絶理由通知がなされなかった点) 【判旨】 裁判所は、取消事由1のうち相違点2の判断の誤りを認め、本件審決を取り消した。まず、一致点の認定については、刊行物5の実施例4に「含有脂質中のomega-3、omega-6脂肪酸の比率は、ほぼ1:4であった。」と記載されており、当業者はこれをガスクロマトグラフによる測定結果と理解するのが自然であるとして、原告が主張する原料組成からの計算上の比率(1:5.7)との不整合は、製造工程中に脂肪酸組成が変化し得ることから不自然とはいえないとし、審決の一致点認定に誤りはないとした。しかし、相違点2(「omega-6脂肪酸の用量は、40g以下」との構成の有無)については、刊行物5の「脂肪の摂取量については一日当り40gと増加し」との記載は、脂肪摂取量の増加自体を問題視するものではなく、不飽和脂肪酸の摂取バランスの問題を論じる文脈で述べられたものにすぎないとした。また、脂質の適正な摂取量は年齢・性別等の要素により変わり得るものであり、「omega-6脂肪酸の用量は、40g以下」とすることが技術常識であったことを認めるに足りる証拠もないとして、相違点2は実質的な相違点であり、かつ当業者が容易に想到し得たとはいえないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。