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知財

審決取消請求事件

判決データ

事件番号
令和2行ケ10004
事件名
審決取消請求事件
裁判所
知的財産高等裁判所
裁判年月日
2021年8月31日
裁判官
菅野雅之本吉弘行中村恭

AI概要

【事案の概要】 原告(旭化成ファーマ)は、「骨粗鬆症治療剤ないし予防剤」に関する特許(特許第6274634号)の特許権者であり、被告(沢井製薬)がした特許無効審判請求に基づき、特許庁が請求項1に係る発明についての特許を無効とする審決をしたため、その取消しを求めた審決取消訴訟である。本件発明は、1回あたり200単位のヒトPTH(1-34)を週1回投与する骨粗鬆症治療剤であって、(1)年齢65歳以上、(2)既存骨折あり、(3)骨密度が若年成人平均値の80%未満等、(4)クレアチニンクリアランスが50以上80未満ml/minの軽度腎機能障害を有する、という4条件を全て満たす骨粗鬆症患者を対象とするものである。審決は、本件発明が先行文献(甲7文献)に記載された発明及び技術常識から当業者が容易に発明できたものと判断した。 【争点】 本件発明の進歩性の有無が争点であり、具体的には、(1)投与対象患者を本件4条件で特定した点(相違点1)の容易想到性、(2)「骨折抑制のための」との用途特定(相違点2)の容易想到性、(3)本件発明が予測できない顕著な効果を奏するか否かが争われた。原告は、4条件の組合せは層別解析により初めて見出された新規な知見に基づくものであり、高用量のPTH200単位を腎機能障害者に投与することには安全性上の懸念があるため容易想到でないと主張した。 【判旨】 知財高裁は、本件審決の判断に誤りはないとして、原告の請求を棄却した。相違点1については、本件条件(1)~(3)は骨粗鬆症の診断基準の要素として基準日前から採用されていた一般的な指標であり、甲7発明に接した当業者が投与対象患者をこれらの条件で選別することに格別の困難はないと判断した。本件条件(4)についても、骨粗鬆症女性の85%が軽度ないし中等度の腎機能障害を有しているとの技術常識があり、軽度又は中等度の腎機能障害者と腎機能正常者との間でPTHの薬物動態パラメータに有意差がないことが知られていたことから、軽度腎機能障害者を投与対象に含めることに困難性はないとした。相違点2については、骨密度の増加が骨折予防に寄与するとの技術常識の下、甲7発明が48週で骨密度を8.1%増大させたことから、骨折抑制のための治療剤とすることは容易想到と判断した。効果の顕著性についても、本件明細書の記載からは高リスク患者に対する骨折抑制効果が低リスク患者に対するそれよりも高いと理解できず、腎機能障害者における安全性が正常者と同等であることも予測の範囲内であるとして、予測できない顕著な効果は認められないと結論付けた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。