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下級裁

非現住建造物等放火被告事件

判決データ

事件番号
令和3う37
事件名
非現住建造物等放火被告事件
裁判所
広島高等裁判所
裁判年月日
2021年9月2日
裁判種別・結果
棄却
裁判官
伊名波宏仁富張真紀廣瀬裕亮
原審裁判所
広島地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 被告人は、令和元年8月16日午後10時27分頃、広島市内に所在する木造2階建て共同住宅(現に人が住居に使用せず、かつ現に人がいないもの)に燃え移るかもしれないことを認識しながら、同住宅1階103号室前に置かれたゴミ袋にライターで点火して火を放ち、同室の壁面等に燃え移らせて焼損面積合計約22平方メートルを焼損したとして、非現住建造物等放火罪で起訴された。被告人は捜査段階及び第1回公判期日では犯行を認めていたが、第2回公判期日以降は犯人性を否認するに至った。原審(広島地方裁判所)は被告人を有罪と認定し、被告人側が事実誤認を理由に控訴した。 【争点】 被告人の犯人性が最大の争点である。弁護人は、(1)被告人の自白で媒介物とされるビニール袋が客観的に存在しない、(2)被告人が供述する放火場所付近が焼損していない、(3)知的障害者(IQ52)である被告人の自白については迎合的供述の危険性を踏まえた慎重な評価が必要であるにもかかわらず原判決はこの点の検討を欠いている、(4)自白の信用性を支える間接事実について最高裁平成22年4月27日判決の判断枠組み(被告人が犯人でないとしたならば合理的に説明できない事実関係の存在を要求するもの)が妥当する、などと主張した。 【判旨(量刑)】 控訴棄却。広島高裁は、原判決の認定判断は論理則・経験則に照らして不合理ではないとして是認した。まず判断枠組みについて、被告人の自白という直接証拠が存在する本件では、間接事実のみの事案に関する上記最高裁判決の枠組みは妥当せず、直接証拠の信用性評価が重要であると判示した。その上で、(1)防犯カメラ映像から、犯行が想定される時間帯に被告人が現場方向に入り込み約24秒後に立ち去るという不審な行動が確認され、同時間帯に他の人物は映っていないこと、(2)被告人は逮捕当初から一貫して犯行を認め、被疑事実にあった「段ボール箱」ではなく「ビニール袋」と自ら訂正し、ライター購入場所や投棄場所を案内するなど、犯人でなければ困難な具体的供述をしていること、(3)仕事のストレスから放火したという動機は、過去の同種前科(器物損壊・建造物損壊で懲役3年)に照らし不自然でないこと、(4)知的障害者の迎合傾向については、原判決が捜査機関の把握していなかった事実を自発的に供述できていることや、自己の言い分を述べられていることを確認しており、虚偽供述の危険を適切に排除していること等を総合し、被告人の自白の信用性を肯定した原判決に誤りはないと結論づけた。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。