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下級裁

遺族補償年金等不支給処分取消請求控訴事件

判決データ

事件番号
令和2行コ37
事件名
遺族補償年金等不支給処分取消請求控訴事件
裁判所
名古屋高等裁判所
裁判年月日
2021年9月16日
裁判官
古久保正人水谷美穂子内山真理子
原審裁判所
名古屋地方裁判所

AI概要

【事案の概要】 トヨタ自動車に勤務していた労働者が自殺したことについて、その妻である控訴人が、自殺は過密・過重な業務と上司からの継続的なパワーハラスメントによりうつ病を発病した結果であり業務に起因すると主張して、豊田労働基準監督署長がした遺族補償給付及び葬祭料の不支給処分の取消しを求めた事案の控訴審である。労働者は、新型プリウスのCVJ自動組付ラインの立上げ業務(会社初の先進的試み)を主担当として遂行し、トラブル多発の中で量産開始に漕ぎ着けた後、初めての海外業務である中国関連業務に異動となり、さらに部長特命の「2020年ビジョン関連業務」も並行して担当していた。この間、残業原則禁止という制約の下、直属の上司であるグループ長及び室長から約1年にわたり、約340人のフロアで多数の従業員の面前での大声による叱責を繰り返し受けていた。労働者は平成21年10月中旬頃にうつ病を発症し、平成22年1月に自殺した。原審は請求を棄却したため、控訴人が控訴した。 【争点】 本件自殺の業務起因性の有無、特に業務による心理的負荷の程度が争われた。控訴人は、上司のパワハラは改正認定基準における心理的負荷「強」に該当し、複数の業務上の出来事と合わせて総合的に評価すべきと主張した。被控訴人(国)は、上司の叱責は業務指導の範囲内にとどまりパワハラには該当せず、各業務の心理的負荷も「弱」であり、労働者の素因としての脆弱性がうつ病発症の原因であると反論した。 【判旨】 名古屋高裁は原判決を取り消し、不支給処分をいずれも取り消した。裁判所はまず、改正認定基準(令和2年6月施行)についても、裁判所が業務起因性を判断するに当たり参考にすることができるとした。その上で、新型プリウス関連業務は「達成は容易でないノルマに向けた業務」として心理的負荷「中」、2020年ビジョン関連業務は「弱」だが他業務と並行して進行させる負担があったと認定し、D関連業務は初の海外業務で困難な問題を抱えていたことから「仕事内容の大きな変化」として心理的負荷「中」と評価した。上司の言動については、グループ長から少なくとも週1回程度、室長から2週間に1回程度、多数の従業員の面前で大声による威圧的な叱責が約1年にわたり反復継続されたと認定し、「態様や手段が社会通念に照らして許容される範囲を超える精神的攻撃」に該当するとした。パワハラの開始時から繰り返される出来事を一体として評価し、継続する状況は心理的負荷が高まるものとして、上司からの一連の言動の心理的負荷は「強」に相当すると判断した。これら各出来事を総合的に考慮し、平均的労働者を基準として精神障害を発病させる程度に強度のある精神的負荷を受けたと認められ、業務と発病(自殺)との間に相当因果関係があるとした。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。