AI概要
【事案の概要】 被告人は、沖縄県宮古島市においてゴルフ場経営等を業とする会社の代表取締役として業務全般を統括していた者である。同市には陸上自衛隊を配備する計画が進められており、同社所有の土地が駐屯地用地の有力な候補地となっていた。被告人の会社は多額の債務を抱えていたことから、被告人は同社所有地を自衛隊用地として国に売却することを目指し、当時の宮古島市長に対して配備計画の受入れを表明するよう陳情していた。その後、同市長が受入れを表明したことにより、実際に同社所有地の国への売却が実現した。被告人は、市長が配備計画の受入れを表明したことに対する謝礼の趣旨で、平成30年5月24日、東京都千代田区内において、同市長に対し現金600万円を供与し、贈賄罪に問われた。 【判旨(量刑)】 裁判所は、被告人を懲役1年6月(執行猶予3年)に処した。量刑の理由として、裁判所はまず犯情の悪質さを指摘した。被告人は、会社の多額の債務を解消するため自衛隊用地としての土地売却を企図し、市長への陳情を重ねた上、売却が実現して代金を手にすると、賄賂に充てる現金を捻出するために裏金作りまで行い、自発的・能動的に犯行に及んだものである。また、賄賂として供与した金額も600万円と比較的多額であり、このような多額の現金を市長に供与すること自体が、市長の職務の公正を害し、市民の信頼を損なわせるものであるとした。他方で、被告人が事実を認めて反省の態度を示していること、本件が広く報道されたことなどにより一定の社会的制裁を受けていること、前科前歴がないことも考慮し、主文の刑を科して刑事責任の重さを明確にした上で、刑の執行を猶予するのが相当であると判断した。検察官の求刑は懲役1年6月であり、裁判所は求刑どおりの刑期としつつ執行猶予を付した。