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下級裁

遺言無効確認請求事件

判決データ

事件番号
令和2ワ3023
事件名
遺言無効確認請求事件
裁判所
札幌地方裁判所
裁判年月日
2021年9月24日
裁判官
瀬孝宇野直紀佐藤克郎

AI概要

【事案の概要】 亡Aの二男である原告が、Aの作成した令和元年12月30日付け自筆証書遺言(本件遺言)は無効であると主張して、遺言執行者、Aの妻である被告B及び長男である被告Cに対し、遺言無効確認を求めた事案である。本件遺言書は10枚の紙から成り、1枚目から7枚目の本文部分及び9・10枚目の付言部分はAの自書により作成されていたが、8枚目の財産目録(本件目録)はワープロ打ちで作成されており、民法968条2項後段が要求する署名押印がなかった。遺言書本文には、生命保険の死亡保険金は各受取人が受け取り、その余の金融資産は被告Bに50%、被告Cに25%、原告に25%の割合で相続させる旨が記載されていた。 【争点】 ①本件目録に署名押印がないことを理由として本件遺言が全体として無効となるか、②本件目録がAの金融資産を網羅していないことを理由として本件遺言が無効となるか。原告は、本件目録が無効である以上、相続させるべき目的物の特定が不可能となり遺言全体が無効になると主張した。また、本件目録には有限会社Gの株式(評価額約3459万円)やゆうちょ銀行の担保定額貯金100万円が記載されておらず、記載漏れ額は目録記載額の60%超に達すると主張した。被告らは、本件目録がなくとも本文のみで目的物は「全ての金融資産」として特定されており、相続割合も明記されているから遺言は有効であると反論した。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、争点①について、民法968条2項後段の署名押印を欠く財産目録自体は無効であるとしつつも、自筆証書遺言の方式として全文自書を要求した同条1項の趣旨は遺言者の真意を確保することにあり、必要以上に方式を厳格に解すると遺言者の真意の実現を阻害しかねないとした(最高裁令和3年1月18日第一小法廷判決参照)。財産目録は対象財産を特定するだけの形式的事項であり自書の必要性が類型的に低いことから、目録の方式の瑕疵を理由に直ちに遺言全部を無効とすべきではなく、目録が付随的・付加的意味をもつにとどまりその部分を除外しても遺言の趣旨が十分理解され得るときは遺言全体は無効とならないとの規範を示した。本件では、生命保険に関する記載は保険金受取人の固有財産に関する無益的記載にすぎず、預貯金・国庫債券も本文で包括的に割合指定されているため、本件目録を除外しても遺言の趣旨は十分理解可能であるとした。さらに、相続割合は法定相続分どおりであるから、仮に遺言対象外の金融資産があってもそれも法定相続分で相続されるにすぎないと指摘した。争点②についても、法は遺言の有効要件として金融資産の全記載を求めておらず、かつ無効な目録の記載漏れを理由に遺言全体を無効とする主張は失当であるとして、原告の請求を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。