都道府県を選択して、裁判官を探すことができます

全国 2522 人の裁判官3135 件の口コミ
下級裁

独占禁止法に基づく差止等請求事件

判決データ

事件番号
令和1ワ35167
事件名
独占禁止法に基づく差止等請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年9月30日
裁判官
朝倉佳秀川村久美子

AI概要

【事案の概要】 本件は、インクジェットプリンタ用の互換品インクカートリッジの製造販売を行う原告ら(エレコム株式会社及びカラークリエーション株式会社)が、プリンタメーカーである被告に対し、独占禁止法違反を理由に差止め及び損害賠償を求めた事案である。被告は、自社製プリンタに新たな電流検知回路(1.5V回路)を追加する設計変更を行い、カートリッジ装着時に一定の基準電流量を超える電流を検知した場合にエラーメッセージを表示してカートリッジを認識しない構造とした。この設計変更により、原告らが従来販売していた互換品カートリッジは被告の新型プリンタで使用できなくなった。原告らは、この設計変更が独禁法上の抱き合わせ販売等(一般指定10項)又は競争者に対する取引妨害(一般指定14項)に該当し独禁法19条に違反すると主張し、設計変更の差止め及び損害賠償(原告エレコムが約1572万円)を請求した。なお、インクジェットプリンタ業界では、プリンタ本体を安価に販売し、比較的利益率の高い純正カートリッジの継続販売で収益を上げるビジネスモデルが広く用いられており、純正品より廉価な互換品カートリッジの存在はこのモデルを脅かすという構造的な競争関係が背景にある。 【争点】 主な争点は、(1)本件設計変更に正当化理由があるか、(2)本件設計変更が抱き合わせ販売等に当たるか、(3)競争者に対する取引妨害に当たるか、(4)原告らに独禁法24条の「著しい損害」が生じるおそれがあるか(差止請求の要件)、(5)原告エレコムの損害額である。被告は、設計変更の目的はICチップ周辺への導電性異物混入による過電流防止であり、互換品排除の意図はないと主張した。 【判旨】 裁判所は、まず設計変更の正当化理由について、本件旧プリンタには既に短絡時にエラーを表示する機能があり、過電流による損傷事例の報告もなく、トランジスタに4時間通電しても損傷しなかったことから、具体的な必要性は認められないと判断した。また、基準電流量の設定は過電流防止の観点から合理的理由がなく、純正品カートリッジですらエラーが出る例があった一方、互換品カートリッジは確実に排除される設定であったことを認定した。さらに、被告のホームページで互換品カートリッジの使用がエラー原因として案内され、異物混入には一切言及されていない点も、互換品排除目的を推認させる事情とした。これらを総合し、本件設計変更は互換品カートリッジの販売を困難にする目的で行われたものと認定し、正当化理由を否定した。 抱き合わせ販売等の該当性については、設計変更により新型プリンタの購入者が純正品カートリッジの購入を余儀なくされたことから「商品の供給に併せて他の商品を購入させること」に当たると認め、正当化理由のない設計変更による公正競争阻害性を肯定し、独禁法19条違反(抱き合わせ販売等)の成立を認めた。 もっとも、差止請求については、原告らが設計変更の約3か月後には対応済みの互換品カートリッジを販売しており、損害賠償で回復し難い程度の「著しい損害」があるとは認められないとして棄却した。 損害賠償については、販売店への返金136万1574円及び購入者への返金1万4684円を認容したが、信用毀損による損害及び逸失利益は立証不十分として認めず、弁護士費用13万7626円を加えた合計151万3884円の限度で原告エレコムの請求を認容した。原告カラークリエーションの請求は全部棄却された。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。