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下級裁

未払賃金請求事件

判決データ

事件番号
平成30行ウ33
事件名
未払賃金請求事件
裁判所
さいたま地方裁判所
裁判年月日
2021年10月1日
裁判官
石垣陽介髙祐子牧野一成

AI概要

【事案の概要】 埼玉県a市立小学校の教員である原告が、平成29年9月から平成30年7月までの間に時間外労働を行ったとして、被告(埼玉県)に対し、主位的には労働基準法37条に基づく時間外割増賃金242万2725円及び同額の付加金の支払を、予備的には国家賠償法1条1項・3条1項に基づく損害賠償の支払を求めた事案である。原告は昭和56年に埼玉県公立学校教諭として採用されたベテラン教員で、本件学校では第3学年の学年主任・学級担任を務め、始業前の登校指導や朝マラソンの付添い、休憩時間中の提出物確認、終業後の多数の事務作業など恒常的な時間外勤務に従事していた。原告は、公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)がいわゆる超勤4項目以外の時間外勤務には労基法37条の適用を排除していないと主張し、給料月額の4%にすぎない教職調整額では到底正当な対価とはいえないと訴えた。 【争点】 第1の争点は、給特法の下で教育職員に労基法37条が適用されるか否かである。原告は、給特法が労基法37条を適用除外としたのは超勤4項目に係る時間外勤務に限られ、それ以外の業務については原則どおり同条が適用されると主張した。第2の争点は、原告の時間外労働時間及び割増賃金額である。第3の争点は、労基法32条を超える時間外労働をさせたことの国家賠償法上の違法性の有無であり、原告は校長に業務量調整等の注意義務違反があったと主張した。 【判旨】 裁判所は原告の請求をいずれも棄却した。争点1について、教員の業務は自主的・自律的な判断に基づくものと校長の指揮命令に基づくものが渾然一体となっており、これを峻別して定量的に時間管理することは現行制度上事実上不可能であるから、教員には割増賃金制度はなじまないとし、給特法は超勤4項目に限らず教員のあらゆる時間外業務について労基法37条の適用を排除していると判断した。教員の勤務時間が増加し教職調整額が実情に合わないとの原告の指摘は「正鵠を射ている」と認めつつも、教員の業務の本質は変わっておらず、解釈論としては採用できないとした。争点3の国賠法上の違法性については、校長の職務命令に基づく業務時間が日常的に長時間にわたり常態化しているとまではいえず、法定労働時間超過も最大月15時間未満にとどまるとして、校長の注意義務違反を否定した。もっとも裁判所は付言として、給特法はもはや教育現場の実情に適合しておらず、勤務実態に即した給与体系の見直し等を早急に進めるべきであると述べ、原告がこの問題を社会に提議したことには意義があると評価した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。