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下級裁

損害賠償請求事件

判決データ

事件番号
令和2ワ27337
事件名
損害賠償請求事件
裁判所
東京地方裁判所
裁判年月日
2021年10月6日
裁判官
五十嵐章裕中村英晴中根佑一朗

AI概要

【事案の概要】 原告は、ペンネーム「A」で活動するフリージャーナリストである。原告は、シリア内戦の取材のため平成27年6月にシリアに入国したが、入国直後から平成30年10月までの約3年4か月間、武装勢力に人質として拘束された。解放後の同年11月2日、原告は記者会見を開き、拘束下での体験等を語った。 被告は出版物の企画・発行等を目的とする株式会社であり、月刊誌「WiLL」を発行している。被告は平成30年11月26日発行のWiLL1月号に、「B」と称する者が執筆した「"イスラムダンク" Aの謎」と題する記事を掲載した。同記事は、記者会見における原告の説明の中で不自然とみられる点を列挙した上で、末尾から2段落目に「まさか中東ではよく行われているという人質ビジネスでは? と邪推してしまいます。」と記載していた。 原告は、この記事により名誉を毀損されたとして、被告に対し、不法行為に基づく慰謝料300万円及び弁護士費用30万円の合計330万円の損害賠償を求めて提訴した。 【争点】 主な争点は、①本件記載による名誉毀損の成否、②損害の発生及びその金額の2点である。 被告は、本件記載は原告の安易な取材姿勢への穏当な批判にすぎず、原告が武装勢力ではなく「人質ビジネス」を行う集団に捕らえられていたのではないかと指摘するものであって、社会的評価を低下させるものではないと主張した。また、「邪推」という語は正しくない推定を意味し、事実でないことを前提とする場合に使われるから、事実の摘示には当たらないとも主張した。 【判旨】 裁判所は、本件記載が事実を摘示して原告の名誉を毀損する不法行為に当たると判断し、原告の請求を一部認容した。 まず、本件記事は、記者会見における原告の説明の中で執筆者が不自然と考えた点を列挙し「謎だらけ」と評した上で、推量の形で「人質ビジネス」に言及していることから、原告が意に反して武装勢力に拘束されたのではなく、身代金名下に金員を得る側に加担していたとの事実を黙示的に摘示するものと認定した。身代金名下に金員を得ることは犯罪行為に該当し得る社会的非難の対象であり、原告の社会的評価を低下させるものと認めた。 被告の「武装勢力と人質ビジネスを行う集団を区別した指摘にすぎない」との主張については、本件記事からそのような区別は読み取れないこと、原告自身が記者会見でそのような集団に捕らえられていたことを示唆していたことなどから排斥した。 損害額については、本件記事が推量の形式を取った婉曲的な表現であること、本件雑誌の発行部数が約5万冊にとどまること等を考慮し、慰謝料30万円及び弁護士費用3万円の合計33万円の限度で認容した。請求額330万円の10分の1にとどまる結果となった。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。