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労働

遺族補償一時金不支給処分取消請求事件

判決データ

事件番号
平成29行ウ72
事件名
遺族補償一時金不支給処分取消請求事件
裁判所
名古屋地方裁判所
裁判年月日
2021年10月11日
裁判官
井上泰人前田早紀子井上泰人

AI概要

【事案の概要】 中部電力株式会社の従業員であった労働者(大学院卒・入社1年目)が、三重支店営業部法人営業グループに配属され、省エネ提案の技術営業業務に従事していたところ、平成22年10月28日頃に適応障害を発症し、同年11月頃に練炭を用いて自殺した。労働者の母である原告は、自殺は過重な業務及び上司によるパワーハラスメントにより精神障害を発病したことが原因であるとして、津労働基準監督署長に遺族補償一時金の支給を請求したが、不支給処分を受けた。審査請求・再審査請求もいずれも棄却されたため、原告が同処分の取消しを求めて提訴した事案である。労働者は新入社員として複数の案件(クボタ松下案件、技術振興センター案件、三井住友案件等)を同時並行で担当し、特に蒸気配管図の作成や熱損失計算など未経験の業務に携わっていた。また、上司であるb課長から「おまえなんていらない」「こんなんで大卒か」等の暴言を受けたと周囲に話しており、自殺関連のウェブサイトを繰り返し検索していた。 【争点】 主な争点は、労働者の自殺(精神障害の発病)に業務起因性が認められるか否かであり、特に業務の質的過重性が争われた。原告は、新入社員に対して過大な業務が課され、十分な支援体制がない中で強い心理的負荷を受けたこと、及び上司によるパワーハラスメントがあったことを主張した。被告は、各業務は新入社員のOJTとして適切な難易度であり、上司や同僚による指導・支援体制は整っていたとして、業務起因性を否定した。 【判旨】 裁判所は、精神障害の業務起因性の判断について、ストレス−脆弱性理論を前提に、業務による心理的負荷が平均的労働者を基準として精神障害を発病させる程度に強度であるかを、厚労省の認定基準を参考にしつつ個別具体的に判断すべきとした。その上で、各案件について以下のとおり認定した。クボタ松下案件及び産業論文については、基本的な案件であり困難な状況は認められないとして心理的負荷の評価対象としなかった。技術振興センター案件については、過去の提案書を参考に作成可能であり、休日出勤時のb課長の指導も業務指導の範囲内として「弱」と評価した。三井住友案件については、新入社員にとって比較的難易度が高く、スケジュール遅延による焦りや中間報告での出来事により一定の心理的負荷を受けたと認めつつも、上司らから必要な指導・補助がなされていたとして、総合評価は「中」にとどまるとした。b課長のパワーハラスメントについては、同僚に直接目撃した者がおらず、日常的に業務指導の範囲を逸脱した言動があったとは認められないとして「弱」と評価した。以上を総合し、心理的負荷の全体評価は「中」にとどまり、業務起因性は認められないとして、原告の請求を棄却した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。