AI概要
【事案の概要】 本件は、スポーツ用品等で世界的に著名なブランド「PUMA」(プーマ)の商標権者である原告(プーマエスイー)が、被告(株式会社プロ・フィットスポーティング)の登録商標「pum's」(登録第6123121号、指定商品:第18類「折り畳み式傘、晴雨兼用傘」等及び第25類「運動用特殊衣服、運動用特殊靴」)について、商標法4条1項11号(先願の登録商標との類似)及び同項15号(他人の業務との混同のおそれ)に該当するとして商標登録無効審判を請求したところ、特許庁が請求不成立の審決をしたため、その取消しを求めた審決取消訴訟である。原告は、本件商標「pum's」と引用商標「PUMA」が外観・称呼・観念において類似し、又は少なくとも出所混同のおそれがあると主張した。原告は消費者調査も実施し、回答者の15%が本件商標から原告を連想したこと、過半数が両商標の印象を「似ている」又は「なんとなく似ている」と回答したことを根拠として挙げた。 【争点】 1. 本件商標が商標法4条1項11号に該当するか(本件商標と引用商標の類否) 2. 本件商標が商標法4条1項15号に該当するか(他人の業務に係る商品との混同のおそれ) 【判旨】 知的財産高等裁判所は、原告の請求を棄却した。まず外観について、両商標は語頭の「pum(PUm)」の文字を共通にするものの、末尾の「s」と「A」の文字の相違、アポストロフィの有無、下線状装飾の有無、書体が斜体か否か、文字の横線の太さの違いなど明らかな差異があり、相紛れるおそれはないと判断した。原告が主張した本件商標の要部が「PUm」の3文字であるとの点も、特段の意味内容を想起させない欧文字部分を要部とすることは到底できないとして退けた。称呼についても、「パムズ」「プムズ」等と「プーマ」では、3音という短い音数における2音目・3音目の相違が大きく、相紛れるおそれはないとした。観念については、本件商標は造語で特定の観念を生じないのに対し、引用商標は「原告のブランド」との観念を生じ、明確に区別できるとした。原告の消費者調査についても、登録査定時より後に実施されたこと、15%という数値は大きいとはいえないこと、スポーツ関連用品というヒントによる誘導の可能性があることから、類似性を裏付ける資料とはいえないと判断した。商標法4条1項15号該当性についても、両商標の類似性が極めて低い以上、指定商品の関連性や需要者の共通性が高くても、出所混同のおそれはないとして、審決の判断に誤りはないと結論づけた。