損害賠償請求事件(本訴),損害賠償請求反訴事件(反訴)
判決データ
AI概要
【事案の概要】 本件は、バニーガール衣装を製造・販売する原告が、被告に対し、被告製のバニーガール衣装の販売が不正競争防止法2条1項1号(周知な商品等表示の混同惹起)、同項3号(商品形態の模倣)、同項20号(原産地誤認表示)の各不正競争行為に当たるとともに、著作権(複製権又は翻案権)を侵害するとして、販売の差止め・廃棄及び損害賠償193万円を求めた事案(本訴)と、被告が原告に対し、原告がツイッター等で被告商品を「コピー商品」「パクリ」と繰り返し投稿した行為が不競法2条1項21号(信用毀損)の不正競争行為及び名誉毀損等の不法行為に当たるとして、差止め、損害賠償160万円及び訂正広告の掲載を求めた事案(反訴)である。原告は「バニーガール向上委員会」等のブランドで独自の縫製技法(マジック縫製)を用いたバニーガール衣装を製造・販売しており、被告は「TOKYOバニーガール」のブランドで同種衣装を製造・販売している。 【争点】 主な争点は、(1)原告商品の形態が不競法2条1項1号の商品等表示に該当するか(周知性の有無)、(2)被告商品が原告商品の形態を模倣した実質的同一の商品といえるか(同項3号)、(3)被告のブログ表示が原産地誤認表示に当たるか(同項20号)、(4)原告商品の著作物性、(5)原告のSNS投稿が虚偽事実の流布(同項21号)に当たるか、(6)原告の本訴提起が濫訴として不法行為を構成するか、(7)被告の損害額である。 【判旨】 裁判所は、原告の本訴請求をすべて棄却し、被告の反訴請求を一部認容した(55万円及び遅延損害金)。まず争点(1)について、原告商品がテレビ番組で紹介された事実は認めたものの、ツイッターのフォロワー数が約3100人にとどまり大手ショッピングサイトでの販売もないことから、原告商品の形態が需要者の間に広く知られていたとはいえないとして周知性を否定した。争点(2)については、原告商品と被告商品には股部のハイレグ・ローレグの差異、後ろ身頃の面積の差異、カチューシャの形状の差異など需要者が識別可能な相違点が存在し、形態の実質的同一性は認められないとした。加えて、原告商品の販売開始から3年以上経過後に被告商品が販売されたため、不競法19条1項5号イの適用除外にも該当するとした。争点(3)については、ブログの記載は被告の本拠地を示すものであり原産地表示とはいえないとし、争点(4)については、バニーガール衣装は実用品であり原告商品の形態に美的鑑賞の対象となり得る美的特性は認められないとして著作物性を否定した。他方、争点(5)について、原告がSNS上で被告商品を「コピー商品」等と繰り返し投稿した行為は、被告の営業上の信用を害する虚偽事実の流布であり不競法2条1項21号に該当するとした。争点(6)の濫訴の主張は、本訴提起が裁判制度の趣旨に照らし著しく相当性を欠くとまではいえないとして退けた。損害額については、インターネット上で繰り返し執拗に流布された点を考慮しつつ、販売活動への具体的支障の立証がないことも踏まえ、無形損害50万円及び弁護士費用5万円の合計55万円を認容した。