AI概要
【事案の概要】 死刑確定者として大阪拘置所に収容されている原告は、再審請求棄却決定に対する即時抗告事件について、弁護士らに弁護人選任を依頼する信書(合計33通)の発信を3回にわたり申請したところ、大阪拘置所長がいずれも通数外発信の緊急性がないとして不許可とした。また、原告は平成27年6月頃から平成29年10月頃までの間、再審請求弁護人と95回にわたり面会したが、大阪拘置所長は面会時間を最大60分に制限し、再審請求弁護人による面会時のパソコン使用も制限した。原告は、これらの措置がいずれも違法であると主張し、国家賠償法1条1項に基づき慰謝料1000万円の支払を求めた。 【争点】 (1) 弁護人選任依頼の信書発信を不許可とした処分の違法性、(2) 再審請求弁護人との面会時間を60分に制限した措置の違法性、(3) 再審請求弁護人による面会時のパソコン使用を制限した措置の違法性、(4) 損害額。 【判旨】 裁判所は、争点(1)について、各信書の発信不許可処分は即日中の発信を不許可とするものにすぎず、即時抗告申立て直後で手続が進行していなかったこと等に照らし、通数制限を超えて即日発信する緊急性・必要性があったとはいえないとして、違法性を否定した。 争点(2)について、死刑確定者と再審請求弁護人が再審請求に関する打合せのために秘密面会をする利益は重要であり、面会時間の制限が許されるためには、申出に係る時間の面会を許すことにより刑事施設の規律及び秩序を害する具体的なおそれがあることが必要であるとした。本件では、大阪拘置所長が具体的なおそれの有無を考慮することなく漫然と面会時間を60分に制限しており、裁量権の逸脱・濫用として違法であると判断した。 争点(3)について、再審請求に関する証拠資料等がパソコンに電子データとして保存されている場合、弁護人が面会時にパソコンを使用して打合せをすることは秘密交通権として保障される行為であるとした上で、パソコン使用の制限についても具体的なおそれの有無を考慮することなく一律に不許可としたものであり、裁量権の逸脱・濫用として違法であると判断した。 被告が主張した先行裁判例の存在については、いずれも当該事案における下級審判断にすぎず、措置に相当の根拠があったとはいえないとして退けた。損害については、面会時間制限48回分と面会時パソコン使用制限41回分について各1万円、合計89万円の慰謝料を認容した。