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損害賠償等請求事件

判決データ

事件番号
平成31ワ2534
事件名
損害賠償等請求事件
裁判所
大阪地方裁判所
裁判年月日
2021年11月11日

AI概要

【事案の概要】 原告(株式会社ネイチャースケープ)は、自然環境の保全・調査等を行う法人であり、被告(福井県)が運営する福井県自然保護センターのインターネット展示システム(本件展示システム)を構築した。本件展示システムは、生物分布情報を地図上に表示するWebGISシステム等で構成され、原告が平成15年に下請業者として旧システムを構築した後、平成22年に被告との直接契約によりサーバ機器を更新・移行して納品したものである。原告は、サーバ設計書(全58頁・1140項目以上)を作成し、これに基づきシステムを構築した。 被告は、平成27年、本件展示システムのOSサポート終了を契機とするホームページリニューアルに際し、従来のホームページを外部から見えなくするため、外部業者と共にルータの80番ポート等を閉鎖し、ADSL回線を切り離した。その際、被告担当者は原告にパスワードを問い合わせたが回答を得られず、サーバ設計書に記載のパスワードを用いて作業を実施し、設計書の一部(1頁・15頁・17頁)を外部業者に開示した。 原告は、(1)本件展示システムの著作者人格権(同一性保持権)侵害に基づく差止・廃棄、(2)使用許諾契約の債務不履行に基づく差止・廃棄、(3)秘密保持義務違反又は国家賠償法1条1項に基づく8569万円の損害賠償等を請求した。 【争点】 (1) 本件展示システム自体に著作物性が認められるか。 (2) 原告と被告の間にエンドユーザ使用許諾契約が成立し、被告に同一性保持義務違反・秘密保持義務違反があるか。 (3) 被告の設計書開示行為が国家賠償法上の違法行為に当たるか。 【判旨】 請求棄却。裁判所は、以下の理由から原告の請求を全て退けた。 第一に、著作物性について、著作物とは思想又は感情を創作的に表現したものであるところ、本件展示システム自体はサーバ設計書の記載を技術的・機械的に具体化したものにとどまり、設計書を離れた固有の創作性は認められないとして、著作物性を否定した。原告はハードウェア・ソフトウェアの選択や組合せに創作性があると主張したが、裁判所は、これらは設計書に基づき実現されたものであり、システム自体に固有の創作的表現があることの具体的主張立証がないとした。 第二に、使用許諾契約に基づく債務不履行について、仮に契約が成立していたとしても、ルータのポート閉鎖に関する部分に著作物性は認められず同一性保持義務違反は成立しないとした。また、秘密保持義務については、サーバ設計書が契約上の「本ソフトウェア」に含まれるとは認められないとして、義務違反を否定した。 第三に、国家賠償法上の違法行為について、開示された設計書3頁分に含まれる情報は、メーカー公開の設定例とほぼ同一であるか、代表的なポート番号など一般的な情報にとどまり、原告にとって秘密として保持する有用性や固有の利益があるとはいえないとして、違法行為に当たらないと判断した。

※ この概要はAIが判決全文をもとに自動生成したものです。内容の正確性には十分注意していますが、誤りが含まれる可能性があります。正確な内容は原文をご確認ください。
判例データの一部は CaseLaw LOD(国立情報学研究所、CC BY 4.0)を利用しています。