AI概要
【事案の概要】 高等学校在学中に自殺した女子生徒(以下「亡生徒」という。)の両親である原告らが、独立行政法人日本スポーツ振興センター(被告)に対し、亡生徒の死亡が「学校の管理下において発生した事件に起因する死亡」に当たると主張して、独立行政法人日本スポーツ振興センター法(センター法)に基づく災害共済給付金(死亡見舞金)各1400万円及び遅延損害金の支払を求めた事案である。亡生徒は、高校1年次から同級生の女子生徒4人と仲の良いグループを形成していたが、高校2年に進級した頃から仲間外れにされるようになり、グループメンバーとの関係が悪化していった。亡生徒は自殺直前、友人に対し「あたしになんかあったら○○と○○と○○のせいやけね。後悔してもしらんけ。」とのメッセージを送信した後、自殺した。被告は、第三者委員会や再調査委員会の報告書がいじめと自殺の因果関係を認定していないこと等を理由に不支給決定をした。 【争点】 1. 本件自殺が「学校の管理下において発生した事件に起因する死亡」(センター法施行令に基づく省令24条3号)に該当するか否か 2. 災害共済給付金支払請求権の発生時期及び遅延損害金の起算点 【判旨】 一部認容。裁判所は、グループメンバーによる一連の行為(交際に関する虚偽説明の放置、終業式での記念撮影からの除外、昼食グループからの排除、口論での絶交宣言、LINEでの交友関係断絶)はいずれも「通常の対人関係による不和」にとどまらず、いじめ防止対策推進法上の「いじめ」に該当し、センター法施行令に基づく省令24条3号の「事件」に当たると認定した。自殺の原因について、いじめにより孤立感が高まる中、自殺の6日前から自殺をほのめかす言動を繰り返していたこと、自殺直前のメッセージでいじめの当事者3名を名指ししていること等から、いじめが本件自殺の主たる原因であると認めた。被告が主張した家庭問題(両親の離婚問題)については、自殺前に離婚しないことが決まりその旨が伝えられていたこと等から原因とは認められず、部活動の悩みについても自殺につながるような強度の心理的負担とは認められないとした。遅延損害金の起算点については、被告が独自の調査機関を有しておらず、訴訟を通じて審査に必要な情報を入手したことを考慮し、口頭弁論終結日の翌日とした。